2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗MCM2細胞内抗体を用いた新規癌治療モデルの開発
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25860290
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
阿部 晋也 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70596725)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞内抗体 / MCM2 / DNA damage / 治療モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、MCM2高発現細胞においてフレンド白血病ウイルスのエンベロープタンパクgp70が存在すると、MCM2の核移行が阻害され、DNA損傷誘発アポトーシスを増強するという現象を見出した。本研究では、ヒトの細胞において毒性のあるgp70の代わりに、MCM2に対する細胞内抗体を用い、MCM2の核移行を阻害することによる、新たな癌治療モデルの作製を目指した。 本年度はこの細胞内抗MCM2抗体を直接細胞に導入するために、Protein Transduction domain (PTD)であるHIV-1 Tat由来、ヒト転写因子Hph-1由来ペプチドを融合させた抗MCM2細胞内抗体を構築した。大腸菌にて発現させたPTD付加細胞内抗MCM2抗体を培養細胞に添加すると、速やかに細胞内に導入されることを確認した。また、この抗体を導入した細胞にDoxorubicinを処理することでアポトーシスが増強されることを確認した。さらにin vivoにおける細胞内抗体による治療効果を検討した。SCIDマウスに腫瘍細胞を移植し、作製したPTD付加細胞内抗MCM2抗体を腫瘍部分に直接投与した。投与後腫瘍細胞を摘出し、病理組織学的に抗体の送達度合を確認したところ、投与後1時間で腫瘍細胞に抗体が導入されていることが確認できた。しかし、その後急速に腫瘍細胞内の抗体が減少し、5時間後には細胞内の抗体のほとんどが消失していた。さらにこの抗体を用いて治療実験を行ったSCIDマウスにPTD付加細胞内抗MCM2抗体投与後にDoxorubicinを処理することで腫瘍細胞に対してアポトーシスを比較的強く誘導することが可能であった。現在、この治療継続中であり、生存期間の比較を行う予定である。様々な課題はあるものの、課題を克服することによって、この抗MCM2細胞内抗体による治療は新規腫瘍治療モデルになると考えている。
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Research Products
(4 results)