2013 Fiscal Year Research-status Report
パイエル板M細胞における転写因子Spi-Bの標的遺伝子の同定とそれらの機能解析
Project/Area Number |
25860353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 慎太郎 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80447333)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 粘膜免疫 / M細胞 |
Research Abstract |
M細胞におけるSpi-B標的遺伝子群の同定を目的とし、当初は申請者らが作製したSpib-GFPマウスのホモ、ヘテロを用いて、GFPを指標としてM細胞を単離する予定であった。しかし、抗GFP抗体を用いた免疫染色ではGFPの発現は確認出来たものの、フローサイトメーターではGFPの発現を確認することが出来ず、このマウスを用いたM細胞の単離は不可能である事が明らかになった。そこで、コンベンショナルなSpiB欠損マウスとコントロールマウスから、パイエル板FAEを実体顕微鏡下で分離し、そこからtotal RNAを調整後、DNAマイクロアレイによる発現解析を行った。得られた数十種類の候補に付いては、定量的RT-PCRでSpiBのターゲットであることを確認し、最終的に3つの新たなM細胞特異的発現遺伝子を同定した。そのうちの1つに関しては、コンベンショナルな欠損マウスと、免疫染色に使用出来る市販抗体が入手可能であったため、実際にその分子が腸管上皮細胞群の中ではM細胞に特異的に発現していることと、SpiB欠損マウスでは発現が完全に消失する事を確認した。現在、欠損マウスのコロニーを広げ、抗原取り込み能に変化があるかどうか、また、変化があった場合は、その分子のM細胞における機能解析を進める予定である。 他の2つの分子関しては、すでにコンディショナル欠損マウスの作製を進めており、どちらも変異アレルのGerm-line transmissionが確認されている。これに関しても欠損マウスが得られ次第、同様の解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、当初予定したSpib-GFPマウスを利用することが出来ないというトラブルに見舞われたが、純度は落ちるものの、FAEをサンプルとして用いることで、この問題を回避し、実際に3つの候補遺伝子の同定に成功した。また、解析に必要な遺伝子欠損マウス、抗体に関しても、一つの分子に関しては入手可能であり、ある程度の結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で述べたように、今年度同定に成功した3つの分子について、M細胞における機能解析を進める。 Spib-GFPマウスと同様の手法で作製したMarcksl1-GFPマウス(Marcksl1はM細胞特異的発現分子であるが、その発現はSpiB非依存的である)は、フローサイトメーターでGFPの発現を検出することが可能であり、このマウスのパイエル板上皮細胞から、GFP陽性細胞をMarcksl1発現細胞(=M細胞)として分取した。次年度では、この細胞群の遺伝子発現解析を行い、さらにM細胞特異的発現分子の同定と、その機能解析を並行して進める予定である。
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Research Products
(10 results)