2015 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時間及び睡眠の質と血圧及び動脈硬化との関連に関する疫学研究
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25860441
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江口 依里 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60635118)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 頚動脈壁肥厚 / 血圧 / 睡眠呼吸障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】高血圧と睡眠呼吸障害を併せ持つ事による頸動脈壁肥厚への影響について検討した。【対象】愛媛県東温市の循環器詳細健診(東温スタディ)に2009-2012年に参加した30-79歳の男女2,033人のうち、必要な情報のない46人を除外した、1,987人を解析対象とした。 【方法】睡眠時呼吸障害の重症度は、睡眠1時間あたりの無呼吸・低呼吸の数(respiratory disturbance index :RDI)を用い、RDI≧20.0を重症と定義した。起床時及び就寝時高血圧は>135/85mmHg、健診時高血圧は>140/90 mmHg、頚動脈壁肥厚は、総頚動脈における最大内膜中膜複合体肥厚≧1.1mmとした。年齢と降圧剤治療を調整、及び多変量調整した睡眠呼吸障害及び起床時、就寝時、健診時高血圧に対する頚動脈壁肥厚のオッズ比をロジスティックモデルにて算出した。さらに、睡眠呼吸障害、健診時高血圧、両方を有する場合の、頚動脈壁肥厚のオッズ比を算出し、相乗効果を検討した。 【結果】就寝時、健診時血圧は、有意に頚動脈壁肥厚と関連しており、就寝時及び健診時血圧との関連は多変量調整後も認められ、それぞれの多変量オッズ比(95%信頼区間)は、1.85(1.28-2.67)、1.76(1.29-2.41)であった。重度の睡眠呼吸障害のみ、就寝時高血圧のみ、及び両方を持っている人の頚動脈壁肥厚の年齢及び降圧剤治療を調整したオッズ比は1.06(0.71-1.59)、2.18(1.44-3.30)、2.52(1.32-4.81)で、相乗効果が有意であった(P<0.05)。この相乗効果は多変量調整では認められなかった。 【結論】就寝時及び健診時高血圧は、頚動脈壁肥厚と関連しており、特に重度の睡眠呼吸障害と就寝時の高血圧を併せ持っている場合には、頚動脈壁肥厚の割合が高まる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)