2014 Fiscal Year Research-status Report
尿中酸化ストレスマーカーと循環器疾患発症に関する後ろ向きコホート研究
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25860449
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
長尾 匡則 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30621239)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 8-OHdG / HPLC / 尿中バイオマーカー / 脳卒中 / 虚血性心疾患 / 発症 / 地域住民 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度において、高速液体クロマトグラフィー(以下HPLC)及び電気化学検出器(以下ECD)を用いて、尿中8-ヒドロキシ2'-デオキシグアノシン(以下8-OHdG)の測定法の確立を目指した。測定の方針として固相抽出を用いた前処理を行う方法も検討したが、オペレーターの手技が再現性に影響すること、前処理に時間を要する事、将来的に多検体を処理するにはコストがかかることを考慮し、カラムスイッチングによるオンラインでの前処理法を試みた。 具体的には、HPLCシステムには日立D-7000シリーズを用い、ECDはアンペロメトリック方式の(株)資生堂製3005を用いた。前処理カラムには(株)資生堂の生体試料分析用カラムMF-SCX(4.6mm i.d.×150mm)および同種ガードカートリッジを用い、分析カラムにはインタクト(株)の水系移動相用カラムUnison UK-18(4.6mm i.d.×150mm)および同種ガードカートリッジを用いた。移動相は0.2mM-EDTAを添加したリン酸緩衝液および酢酸緩衝液にメタノールまたはアセトニトリルを添加したものについて、塩濃度・pH・有機溶媒濃度の最適化を試みた。HPLCシステムへの影響も考慮した結果、40mMリン酸緩衝液・0.2mM-EDTAに1%メタノールを添加したもので8-OHdGピークを確認できたが、未だ分離が不十分である。測定間再現性は良好であるため、今後は主に前処理カラムについて、更なる検討が必要である。 また本研究対象地域において、住民健診における問診、電話調査、レセプト閲覧、診療録閲覧により、本研究のアウトカムである脳卒中および虚血性心疾患の発症について研究協力者らと共に発症調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CIRCSコホートにおける発症調査は計画通り順調かつ高精度に実施できている。 当初の予定以上に教育業務等が増加し研究時間が制限されたため、尿中8-OHdG濃度の測定に関しては精度の高い測定方法の確立が遅れており、検体のルーティン測定に移行できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
尿中8-OHdG測定法の確立を最優先に実施し、速やかに検体のルーティン測定に移行する。測定の所要時間が現在の条件と同等程度であると仮定した場合、1か月に900検体、3か月で全検体の測定を完了する予定である。 CIRCSコホートにおける発症調査はこれまでと同様に継続し、精度と発症例数の確保に努める。
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Causes of Carryover |
研究費の主な使途の一つである尿検体の測定の為に必要なプロトコルが確立しておらず検体のルーティン測定を実施しなかった為、当初計画より当該年度の支出額が小さくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において、測定法の確立を最優先課題として取組み、尿検体のルーティン測定を実施する。この測定に必要な費用は次年度に繰り越した助成金により賄う。
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