2015 Fiscal Year Research-status Report
尿中酸化ストレスマーカーと循環器疾患発症に関する後ろ向きコホート研究
Project/Area Number |
25860449
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
長尾 匡則 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30621239)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 8-OHdG / 尿中バイオマーカー / 循環器疾患 / 脳卒中 / 虚血性心疾患 / 発症 / 死亡 / 地域住民 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究対象者の健診情報、発症情報、尿検体情報が格納されているデータセットを集め、結合し、データクリーニングを行い、データベースを構築した。当初の研究方法では全尿検体を測定する計画であったが、測定方法に関して計画を変更したため、それに付随して解析対象者を限定する必要が生じた。そこでコホート内症例対照研究の形式を採用し、循環器疾患発症・死亡者に対して性別・年齢(±2歳)、検体保管年数、地域、喫煙習慣の有無についてマッチさせた対照となる解析対象者のランダム選出を実現するプログラムの構築を行った。このプログラムを元に測定対象の尿検体を抽出し、ELISAによる8-OHdGの測定を実施した。またこれと並行して、ELISAによる測定精度確保の為、引き続き高速液体クロマトグラフィーによる8-OHdG測定法の検討を行った。これらは28年度も引き続き行う。 アウトカム調査である研究対象地域での脳卒中・虚血性心疾患発症調査も継続して行った。これら循環器疾患発症・死亡の情報と尿中8-OHdG濃度との関連を明らかにすることが本研究の目的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尿中酸化ストレスマーカーの測定に関して、高速液体クロマトグラフィーによる測定を試みていたが、十分な精度を得られる測定法が確立できていないため、研究試料の測定に至るまでに想定以上の時間を要することとなった。そこで代替法としてELISA式による尿中酸化ストレスマーカーの測定を試みているが、コストの問題からコホート内症例対照研究の手法を用いる必要があるため解析対象者を限定する必要が生じた。そのため循環器疾患発症・死亡者に対して性別・年齢(±2歳)、検体保管年数、地域、喫煙習慣の有無についてマッチさせた対照となる解析対象者のランダム選出を実現するプログラムを構築した。このプログラム構築とデータベースの作成が非常に難航し、27年度内に全ての測定を終了させることができなかった。 アウトカム調査である研究対象地域での脳卒中・虚血性心疾患発症調査は予定通り順調に行われており、関係者・研究協力者との協同も円滑に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
尿中8-OHdGの測定に関して、未測定分の尿検体についてELISA法による測定を完了させると共に、高速液体クロマトグラフィーによる測定法を確立し、ELISA法の精度検証に用いる。また継続してアウトカム調査である研究対象地域での脳卒中・虚血性心疾患発症調査を行い、発症例数を増やして統計学的パワーの増強を図り、脳卒中・虚血性心疾患と尿中8-OHdG濃度との関連を検証する。
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Causes of Carryover |
尿中酸化ストレスマーカーの測定において、高速液体クロマトグラフィーによる測定を試みているが、現状として未だ想定される十分な精度が得られていない。ただアウトカム調査である研究対象地域での脳卒中・虚血性心疾患発症調査は予定通り順調に行われている。 本研究における予算の使途は、酸化ストレスマーカー測定コストと発症調査旅費が大部分を占めており、27年末の時点で測定準備段階であったためやむを得ず補助金の使用が抑えられている状況である。28年度に実施する尿中8-OHdGの測定と発症調査のために次年度使用額を生じさせることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高速液体クロマトグラフィー法の代替案として、並行して現在市販キットを利用したELISA式の測定を準備している。しかしELISA法による測定ではコストがかかり測定可能検体数が限られることから、コホート内症例対照研究の手法を用いて研究に供する検体の選択を行う必要がある。そこで、データベースのデータクリーニングと併せて、ケースとコントロールの条件をマッチさせた抽出を行ったうえで、研究試料の測定を順次行う計画である。そのために必要なELISAキットを購入する。それと並行して高速液体クロマトグラフィーによる新たなメソッドの導入を目指す。高速液体クロマトグラフィーによる測定法が確立することで、複数の測定による測定精度の向上が達成されると期待される。 アウトカム調査である研究対象地域での脳卒中・虚血性心疾患発症調査は予定通り順調に行われているが、28年度も継続して発症例数を増やして統計学的パワーを向上させる計画である。
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