2015 Fiscal Year Annual Research Report
勤労者の生活習慣と肥満に関するデータベースの樹立と新たな危険因子の探索
Project/Area Number |
25860450
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
福島 教照 東京医科大学, 医学部, 講師 (00408626)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 座位行動 / 勤労者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は勤労者の生活習慣と肥満との関連を検討することを目的としている. 近年、座位行動が身体活動とは独立した肥満の危険因子であると報告がされ注目を集めている. しかし, 職域における座位行動についての詳細な実態は十分検討されていない.そこで, 勤労者の就業中および終日の座位行動および身体活動は職種により異なるという仮説を立て検証することとした.我々は, これまでに長野県の某製造工場に勤務する全従業員152人のうち育児休暇中2人を除く150人を対象とし, 3軸加速度計による座位行動を含む身体活動測定を実施している. 有効分析対象者102人のデータを用いて, 工場の勤労者を事務系(W群54人)と現業系(B群48人)に分類し, 職種による座位行動および各強度別身体活動の違いについて比較検討を行った. W群とB群それぞれの平均年齢は46.5±11.3歳と43.4±12.2歳で,両群間に有意差を認めなかった.また,加速度計の装着時間に両群間で有意差は認めなかった.1日あたりの身体活動・座位行動の検討では,W群の座位時間は609±89分であり,B群の494±89分よりも有意に長く(p<0.001),W群の低強度身体活動時間は219±83分であり,B群の333±83分よりも有意に短かった(p<0.001).一方で,中高強度身体活動時間に有意差を認めなかった.次に,就業時間帯に限った検討でも同様の傾向が見られ,W群とB群の座位時間は373±65分,277±65分(p<0.001),低強度は109±65分,206±65分(p<0.001),中高強度は23±15分,25±15分(p=0.515)であった. 以上のことから、勤労者の座位行動は職種により異なることが明らかとなった。今後、勤労者の座位行動および身体活動と肥満との関連の検討において職種を考慮した解析の必要性が示唆された。
|