2015 Fiscal Year Annual Research Report
HBV感染したヒト肝細胞置換キメラマウスにおける肝線維化進展機構の解析
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25860574
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
杉山 真也 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (20612427)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / 肝線維化 / ヒト化マウス / 自然免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、前年度から継続している、マウスでのIL-6、TGF-β、TNF-αの阻害実験を行った。その結果、これらの分子を発現抑制しても、顕著な肝線維化阻害には至らなかった。それらのことから、TLR4下流の炎症性サイトカインを抑制することは、抗線維化の面からは効率的ではないと考えられた。一方で、リガンド探索では、特にTLR4リガンドとなり得る分子を中心に解析を進めた。血清を使った網羅的解析の結果では、内因性リガンドして複数の候補分子を得た。それらの分子をマウス肝臓から得たマクロファージに作用させたところ、TNF-α、IL-6、IL-8といった炎症性サイトカインの誘導を認めた。加えて、別のHBV感染キメラマウスの血清中とヒトのB型肝炎患者血清においても、内因性リガンドとして上昇している分子を探索し、共通する分子を抽出したところ、4つの候補分子を確認した。外来性リガンドの探索については、マウスの無菌化を試みた。キメラマウスの作成過程の関係で、Germ Freeでは飼育が困難であるため、抗生物質カクテルによる除菌を施したマウスを準備した。現在、このマウスにおける肝線維化の進展を検討している。 本研究課題を通して、肝線維化に関わるTLR4経路を中心に、その上流と下流の経路について解析を実施した。TLR4抗体を用いた検討で、肝線維化の抑制が可能であることをin vivoモデルで明らかとした。これらのリガンド分子は、血中での測定も可能となるため、肝線維化の分子マーカーとして利用できる可能性があり、臨床応用を検討する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Indoleamine-2, 3-dioxygenase as an effector and an indicator of protective immune responses in patients with acute hepatitis B.2016
Author(s)
Yoshio S, Sugiyama M, Shoji H, Mano Y, Mita E, Okamoto T, Matsuura Y, Okuno A, Takikawa O, Mizokami M, Kanto T.
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Journal Title
Hepatology
Volume: 63
Pages: 83-94
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Seroprevalence of chronic hepatitis B, as determined from dried blood spots, among children and their mothers in central Lao People's Democratic Republic: a multistage, stratified cluster sampling survey.2015
Author(s)
Komada K, Sugiyama M, Vongphrachanh P, Xeuatvongsa A, Khamphaphongphane B, Kitamura T, Kiyohara T, Wakita T, Oshitani H, Hachiya M.
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Journal Title
Int J Infect Dis.
Volume: 36
Pages: 21-26
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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