2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規ミトコンドリアタンパク質AMFのエネルギー代謝調節に関する機能解析
Project/Area Number |
25860599
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 久和 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (30589312)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 循環器・高血圧 / 分子心臓学 / ミトコンドリア / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓は常に自律拍動をするために莫大なエネルギーを消費している。心筋が虚血状態になると、エネルギーの供給と需要のバランスが崩れ心不全に陥る。しかし虚血時におけるエネルギーすなわちATPの供給制御メカニズムについては未だ解明されていない。 本研究では虚血におけるATP産生制御機構の解明を目的として新規ミトコンドリアタンパク質AMFと相互作用する因子の同定・機能解析を行う。平成25年度ではAMFと相互作用する因子としてFoF1-ATP合成酵素複合体を同定し、AMFがこの複合体との相互作用を介して虚血におけるミトコンドリアATP濃度の維持に寄与していることを培養心筋細胞にて明らかにした。 平成26年度では、これらの成果をもとにゼブラフィッシュを用いた機能解析を中心に行った。当研究室で確立されたゼブラフィッシュ心臓でのリアルタイムATP濃度測定系を用いて、虚血におけるミトコンドリアATP濃度の変化にAMFがどのように影響を及ぼすかについて検討した。ゼブラフィッシュAMF遺伝子を受精卵にインジェクションし、3日後の胚の心臓のATPを顕微鏡下で観察・測定した。AMF遺伝子を発現している心筋細胞群では、発現していない細胞群に比して虚血でのATP濃度の低下が軽減していることが明らかとなった。この結果からAMFはin vitroおよびin vivoにおいて虚血でのミトコンドリアATP産生の維持に寄与していることが示唆された。これらの成果を第18回日本心不全学会学術集会にて発表した。さらに、イヌの虚血再灌流モデルを作成し、再灌流後の心臓を領域ごとにサンプリングして遺伝子発現解析を行ったところ、虚血領域でのAMFの発現上昇を認めた。ゼブラフィッシュに加えてイヌにおいてもAMFがエネルギー飢餓に応答することが示唆され、AMFがエネルギー代謝調節分子としての役割をもつことが示された。以上の成果について現在論文作成中である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Augmented AMPK activity inhibits cell migration by phosphorylating the novel substrate Pdlim5.2015
Author(s)
Yan Y, Tsukamoto O, Nakano A, Kato H, Kioka H, Ito N, Higo S, Yamazaki S, Shintani Y, Matsuoka K, Liao Y, Asanuma H, Asakura M, Takafuji K, Minamino T, Asano Y, Kitakaze M, Takashima S.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 6
Pages: 6137
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Higd1a is a positive regulator of cytochrome c oxidase.2015
Author(s)
Hayashi T, Asano Y, Shintani Y, Aoyama H, Kioka H, Tsukamoto O, Hikita M, Shinzawa-Itoh K, Takafuji K, Higo S, Kato H, Yamazaki S, Matsuoka K, Nakano A, Asanuma H, Asakura M, Minamino T, Goto Y, Ogura T, Kitakaze M, Komuro I, Sakata Y, Tsukihara T, Yoshikawa S, Takashima S.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 112
Pages: 1553-1558
DOI
Peer Reviewed
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