2013 Fiscal Year Research-status Report
悪性胸膜中皮腫における新規バイオマーカー及び治療標的の探索
Project/Area Number |
25860658
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宿谷 威仁 順天堂大学, 医学部, その他 (90529174)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 胸膜中皮腫 / 遺伝子変異 / 遺伝子増幅 / 治療標的 |
Research Abstract |
本年度は、手術あるいは生検による悪性胸膜中皮腫組織検体を用い、Pyrosequencing法によるEGFR, KRAS, BRAF, PIK3CA, NRAS, MEK1, AKT1, PTEN, HER2遺伝子の変異解析、欠失・挿入変異の検出、Quantitative PCRによるEGFR, MET, PIK3CA, FGFR1, FGFR2遺伝子の増幅の検討、Amplicon-based massively parallel sequencingによる48遺伝子の遺伝子変異解析などを行った。これらの解析により、遺伝子異常がいくつか検出された。 また、先述の方法により、悪性胸膜中皮腫細胞株における遺伝子異常もさらに検討し、手術あるいは生検による組織検体と悪性胸膜中皮腫細胞株に共通に認められる遺伝子異常を検出した。 この遺伝子異常が、治療標的となりうるかを検討するために、候補となる複数のチロシンキナーゼ阻害剤、あるいは、セリン・スレオニンキナーゼ阻害剤を用いて、感受性を検討した。一部のキナーゼ阻害剤は、腫瘍増殖抑制効果を示し、手術あるいは生検による組織検体と悪性胸膜中皮腫細胞株に共通に認められた遺伝子異常は、悪性胸膜中皮腫において治療標的となりうることが示唆された。 また、悪性胸膜中皮腫検体で検出された遺伝子異常のうちいくつかは、その存在が、全生存期間と相関することが示唆され、この遺伝子異常も治療標的となりうることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績の概要に示したとおりの結果が得られているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
より多くの胸膜中皮腫検体、胸膜中皮腫細胞株に対して遺伝子異常解析を行うこと。また、その他、新たな手法を用いて遺伝子異常解析を行うこと。細胞株での実験を進め、治療標的となりうる遺伝子異常とそれに対する阻害剤に関する知見を深めること。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実績の概要に示した結果は得られているものの、当初予定していた胸膜中皮腫の解析検体数を、現時点で下回っているため。 より多くの胸膜中皮腫検体、胸膜中皮腫細胞株に対する遺伝子異常解析に用いる予定。また、その他、新たな手法を用いて遺伝子異常解析に用いる予定。細胞株での実験を進め、治療標的となりうる遺伝子異常とそれに対する阻害剤に関する知見を深めるために、試薬などを購入する予定。
|
Research Products
(3 results)
-
-
-
[Presentation] Multiplexed genetic analysis of malignant pleural mesothelioma and the relationship to clinical outcome2013
Author(s)
Shukuya T, Serizawa M, Abe M, Akamatsu H, Tokito T, Imai H, Ono A, Taira T, Kenmotsu H, Naito T, Murakami H, Takahashi T, Endo M, Nakajima T, Koh Y, Yamamoto N
Organizer
ASCO annual meeting
Place of Presentation
Chicago
Year and Date
20130531-20130604