2014 Fiscal Year Research-status Report
新規髄鞘形成分子テニューリン4の分子機能メカニズム解明とその応用を目指す研究
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25860701
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 喜晴 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (30596565)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 髄鞘 / オリゴデンドロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、最近申請者が機能解明をした髄鞘形成促進タンパク質・テニューリン-4(Ten-4)に着目し、その分子作用機序の解明とそれに基づく髄鞘関連疾患への初期応用実験を試みる。二年目に当たる平成26年度は、1)初年度(平成25年度)の研究継続、2)Ten-4結合分子の同定、3)髄鞘形成におけるTen-4シグナル伝達経路の解析、を計画し実施した。1)初年度(平成25年度)の研究継続については、フローサイトメーターを用いたSox10-Venusマウス脳からのオリゴデンドロサイト前駆細胞の精製と培養を確立し、オリゴデンドロサイトやII型アストロサイトへの分化誘導に成功した。ここまでの内容をまとめた論文を作成し、投稿準備段階とした。2)Ten-4結合分子の同定については、マウス脊髄組織のタンパク質抽出サンプルと抗Ten-4抗体を用いて免疫沈降を行い、その免疫沈降サンプルのマススペクトロメトリー(ショットガン法)の結果を解析した。その結果、細胞膜タンパク質として、全てのテニューリンファミリー分子が得られ、また、細胞内タンパク質としては、多くのアクチン制御分子が同定された。さらにいくつかの核内タンパク質も得られた。細胞外タンパク質は同定できなかった。これらのTen-4結合タンパク質候補の組換えタンパク質発現プラスミドを作成中である。3)髄鞘形成におけるTen-4シグナル伝達経路の解析については、2)の結果で得られたタンパク質群を、さらに相互作用・シグナル解析ソフトで解析し、いくつかの細胞骨格制御シグナル経路がTen-4制御下に置かれている可能性が示唆された。平成27年度に、2)と3)の実験を継続し、 Ten-4結合タンパク質が同定とTen-4シグナル経路の活性化を調べ、残りの計画を遂行して行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二年目である平成26年度は、上述した通り、1)初年度(平成25年度)の研究継続、2)Ten-4結合分子の同定、3)髄鞘形成におけるTen-4シグナル伝達経路の解析、を計画し実施した。しかし、1)の内容をまとめる段階で、これまで比較的順調に得られていた生後0~2日目のSox10-Venusマウスが、突然予定通りに得られないという予想外の状況となり、計画が大幅に遅れた。それに伴い、2)と3)の実験も遅れる結果となった。しかし、予想より時間がかかったものの着実に1)の内容をまとめることができ、また、2)と3)の結果が出て来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した通り、二年目(平成26年度)の3つの計画、1)初年度(平成25年度)の研究継続、2)Ten-4結合分子の同定、3)髄鞘形成におけるTen-4シグナル伝達経路の解析、のうち、2)と3)が遅れる結果となっており、平成27年度も継続して遂行中である。その結果を踏まえて、残りの実験計画も実施して行く。
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Causes of Carryover |
平成26年度に計画したSox10-Venusマウスからのオリゴデンドロサイト前駆細胞の精製と培養・分化誘導法の確についてまとめ、論文投稿準備段階まで至っている。論文投稿料、アクセプトされた後の掲載料、別刷り料金について、平成26年度に計上していたが、次年度に投稿することとなったため、それらに宛てがう予算も持ち越しとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述した通り、次年度へ持ち越した予算は当初より支払いを予定していたものなので、次年度以降の研究費使用計画に変更は生じない。
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