2013 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症の発症メカニズムの解明-オプチニューリンを中心とした新規機序-
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25860713
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
倉持 真人 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 研究員 (30589122)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / オプチニューリン / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
本研究の要であるオプチニューリン欠損(OPTN-KO)マウスを作製するに至った。作製したマウスで目的の遺伝子がノックアウトされていることを確認するために、OPTNの発現をmRNAとタンパク質のレベルで調べた。mRNAは脊髄から採取して逆転写酵素でcDNAを作製し、real-time RT-PCRで解析した。タンパク質は、mRNAと同様に脊髄から採取して既製品の抗OPTN抗体(抗原認識部位がN末端、中間部、C末端の3種類を使用)を用いたウエスタンブロット法で解析した。結果、OPTN-KOマウスでOPTNのmRNAとタンパク質が検出されずOPTNが欠損していることを確認した。また、OPTN-KOマウスの純化および繁殖において、子マウスが無事に生まれてきたことから胎生期致死を起こしていないこと、遺伝子型や雌雄に偏りがないことから研究計画に沿って進められることを確認した。 またOPTN-KOマウスの作製に伴い、OPTN-KOであり尚且つヒトの変異型スーパーオキシドジスムターゼ1を持つマウス(OPTN-KO/mSOD1マウス)を交配により獲得することができた。OPTN-KO/mSOD1マウスにおいても胎生期致死が見られず、遺伝子型や雌雄に偏りがないことを確認した。以上のことから本研究課題に取り掛かるにあたり、OPTN-KOおよびOPTN-KO/mSOD1マウスの作製というなくてはならない最も重要な部分を達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の要となるOPTN-KOマウスおよび、OPTN-KO/mSOD1マウスを作製することができた。また、実験の中心に当たる行動学的な解析方法(ロータロッド試験)、組織学的な解析方法(特に脊髄の免疫染色)を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通りに行動実験および組織学的解析を経時的に行い運動機能障害の発症有無や、脳・脊髄の運動ニューロンにおける神経変性を調べる。また、ALSの特徴でもある運動ニューロン内の封入体形成を確認することでALSのモデルとなりうるのか検討する。 また、ALSモデルとなりうることを確認した後、どのようなメカニズムで発症に至るのかを生化学的に調べる。
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