2014 Fiscal Year Annual Research Report
広く応用可能な血小板顆粒内容の機能解析手法:TGF-βファミリーに焦点を当てて
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25860787
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
遠藤 弘史 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (30567912)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌細胞死誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
TGF-βとTGF-βスーパーファミリーであるBMP9は生体内で様々な減少に関わっており,その機能を明らかにすることは個体の発生から疾病にいたる多くの生命現象の解明に寄与すると考えられる.TGF-βとTGF-βスーパーファミリーであるBMP9とBMP10のノックアウトは胎生致死であったり,表現型が出にくいことが報告されており,そ. 一方でTGF-βファミリーは細胞内でMAPKを中心としたシグナル伝達経路をつかさどる主要分子であり,個体のみならず細胞の生存にも重要な役割を担っている.特に癌細胞においてはその悪性化や転移,浸潤に深く関与している.当研究においてTGF-βの癌細胞における役割を解析する過程で,ストレス蛋白質Hsp70の発現が正常細胞に比べて発現が増強されていることを見出した.Hsp70やHsp90はTGF-βシグナルの負の制御因子であることが最近報告されており,ストレス蛋白質とTGF-βおよびTGF-βスーパーファミリーは細胞の生死の制御において,相互作用している可能性が考えられた. そこで,本研究ではストレス蛋白質の発現抑制が,癌細胞死誘導や癌治療への抵抗性獲得に重要な要因であると考えて研究を行ったところ,非ステロイド系抗炎症薬であるイブプロフェンがストレス蛋白質の発現量を抑制することを見出した.イブプロフェンは,臨床で広く用いられている抗癌薬であるシスプラチンの肺癌細胞への感受性を増強することも明らかとし,これらの事を論文で報告した. また,癌の発症や増悪化を予防することが注目されている食成分であるレスベラトロールやカプサイシンがこれらストレス蛋白質の発現を抑制することも見出した.これらの食成分もストレス蛋白質を介してTGF-βとTGF-βスーパーファミリーの機能制御に関わっている可能性も考えられる.これらの研究成果は学会発表を行い,現在論文投稿の準備を行っている.
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Research Products
(2 results)