2013 Fiscal Year Research-status Report
DNAアプタマーによる新規ヒト造血幹・前駆細胞の増幅法の開発
Project/Area Number |
25860797
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
増田 潤子 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (20424674)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 体性幹細胞 / 免疫細胞療法 |
Research Abstract |
今までの癌治療である「外科療法」「化学療法」「放射線療法」の三大療法は、副作用による患者への肉体的・精神的負担が大きいことが難点である。一方で、近年開発された免疫細胞療法は、患者自身の血液を採取してin vitroにて血液細胞を増殖し、患者自身に戻す方法である。この方法は副作用の心配なく患者の免疫機能を高めることで、癌の進行を抑制することができる。すでに免疫細胞療法は治療に応用され、高い効果を得ている。しかし現状の方法では体外で増幅させた血液細胞は保存ができないので、治療中は患者から頻繁に血液採取を行わなければならない。これは、非常に手間が掛かり、コストも割高という点でも患者への負担が少ないとは言えず、現状方法の改善が必要とされている。造血幹細胞を生体外で培養する技術が確立できれば、1度の採血で各種免疫細胞療法を何度でも受けることができるため、患者の負担を大幅に軽減しながら高い治療効果を得られるため大いに期待できる。 本研究は、がん免疫細胞療法に応用するために、(1)従来よりも安全な方法で、且つ効率的に、造血幹細胞様である多能性造血幹/前駆細胞(inducedhematopoieticstem/progenitorcell: iHSP細胞)を in vitroで誘導する革新的な技術を確立する試みを行っている。また、この方法が確立できれば、がん免疫細胞療法だけでなく、白血病や糖尿病患者に行われる造血幹細胞移植にも応用できることが想定されるが、 造血幹細胞移植には 対移植片宿主病(GVHD)発症が頻発する。そこで、発展的な研究として(2) 造血幹細胞移植に伴うGVHD発症の仕組みを造血幹細胞(骨髄)提供者のリンパ球および iHSP細胞の反応から調べている。さらに、(3)免疫系調節不全モデルマウスの免疫状態を、リンパ球の反応より調べることで治療へのiHSP細胞の適応を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の申請時は、人工塩基を含むアプタマーによって造血幹細胞に発現する転写因子E2Aの機能制御を行うことで、免疫細胞療法に応用できる安全性の高いiHSP細胞誘導方法の開発を試みる計画であった。しかし、申請者の所属先が平成25年度より変更した関係で、理化学研究所核酸合成生物学研究チームの協力を得ることが不可能となった。そのため、TALENシステムによるE2Aの機能制御を行うこととなった。現在Golden Gate TALEN and TAL Effector Kitを用いて、TALENアセンブリーシステムを立ち上げ、ヒトE2Aに対するTALEN発現ベクターの構築を行っている。GVHD研究においては、論文作成のための最終段階の実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトE2Aに対するTALEN発現ベクターの構築ができ次第、血球系培養細胞へ遺伝子導入を行い、より効率のよりTALENベクターの選別を行う。GVHD研究においては、論文作成に必要な残りの実験を速やかに行い、今年度中の論文投稿を目指す。また、免疫系調節不全モデルマウスに関しては今年度内に安定した繁殖数を維持し実験を行えるようにする。
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Research Products
(3 results)