2014 Fiscal Year Annual Research Report
濾紙血を用いたHRMA法による脊髄性筋萎縮症迅速診断法の確立
Project/Area Number |
25860860
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森川 悟 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50457074)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症 / 迅速診断 / SMN1遺伝子 / スクリーニング / 乾燥濾紙血 / 尿検体 / 唾液検体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)研究目的:脊髄性筋萎縮症(SMA)は最も頻度の高い致死性の運動ニューロン病で、95%以上にSMN1遺伝子の欠失を認めている。現在、いくつかの薬剤の治験が海外ですでに開始されている。SMAモデルマウスを用いた動物実験では、早期に治療が開始されるほど効果が高い事が証明されており、発症前治療が今後重要となる。本研究では濾紙血を用いた高解像度融解曲線分析(HRMA)法によるSMN1遺伝子欠失迅速診断法を確立する。HRMAは多検体を短時間・低コストで解析できる。また、濾紙血を用いる事により、先天性代謝異常症マススクリーニングのシステムを利用可能である。この事から、乾燥濾紙血とHRMAを組み合わせたSMAのスクリーニング方法の開発を目指すことにした。 (2)研究計画:次年度(最終年度)も、乾燥濾紙血(ワットマンFTA Eluteカード―GEヘルスケアバイオサイエンス社)から抽出したDNAを用いて、HRMA解析が可能であるか否かを検討した。この時に、乾燥濾紙血の室温・暗所での保存年数、PCR条件(プライマーの塩基配列、サイクル数)を再度検討した。 (3)研究結果:乾燥濾紙血は、室温・暗所で、1~8年保管されていたものを用いた。煮沸法で乾燥濾紙血から抽出したDNAでは、通常のPCR条件(30サイクル)では、全例HRMA解析は出来なかった。しかし、PCRのサイクル数を通常の1.5倍まで(45サイクル)まで引き上げることで、乾燥濾紙血の90%はHRMA解析が可能になった。なお、この時に用いたプライマーセットは、Lefebvreらが1995年に報告したR111プライマーと541C770プライマーである。 (4)結論:乾燥濾紙血は長期保存に耐え、また、そこから抽出したDNAはHRMA解析が可能な質と量を有する。したがって、乾燥濾紙血とHRMAを組み合わせたSMAのスクリーニングは可能である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Intragenic mutations in SMN1 may contribute more significantly to clinical severity than SMN2 copy numbers in some spinal muscular atrophy (SMA) patients.2014
Author(s)
Yamamoto T, Sato H, Lai PS, Nurputra DK, Harahap NI, Morikawa S, Nishimura N, Kurashige T, Ohshita T, Nakajima H, Yamada H, Nishida Y, Toda S, Takanashi J, Takeuchi A, Tohyama Y, Kubo Y, Saito K, Takeshima Y, Matsuo M, Nishio H.
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Journal Title
Brain Dev
Volume: 36
Pages: 914-920
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant