2014 Fiscal Year Research-status Report
気管支肺異形成での炎症細胞産生NGALとの関連解析
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25860913
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
市山 正子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00645989)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 気管支肺異形成 / 早産児 / NGAL |
Outline of Annual Research Achievements |
早産児・低出生体重児の呼吸器合併症である気管支肺異形成は、肺の未熟性と感染と炎症が病因と考えられる。しかしながら、肺の局所や血液中の炎症細胞である好中球やマクロファージが、肺組織を破壊し病態の進行に関わる分子機序は十分に解明されていない。本研究では蛋白分解酵素と自然免疫応答に関連すると考えられる、Neutrophil gelatinase-associated lipocalin(NGAL)に着目し、血清中および肺胞洗浄液中濃度と気管支肺異形成との関連を調査するものである。 初年度は九州大学病院総合周産期母子医療センターに入院した合計86名の新生児に関して解析し報告した。気管支肺異形成の発症と出生時の血清中NGAL濃度には有意な関連が見出され、出生時の血清NGAL濃度により気管支肺異形成の発症が予測できる可能性が示唆された。 当該年度は、初年度で得られた知見を確認するために、さらに多数症例で解析することを目標に症例を集積中である。また、NGALだけでなくIL-6やIL-8など他の炎症性サイトカインとの関連も検討する予定である。血清だけでなく、肺胞洗浄液中のNGAL濃度との関連を検討するために、気管挿管症例において肺胞洗浄液検体を集積している。また、気管支肺異形成の発症早期または発症後の血清NGAL値を検討するために、日齢14および日齢28における血清を集積している。さらに、所属研究機関で考案した肺コンピュータ断層撮影を用いた気管支肺異形成重症度スコアシステム(論文発表済み)を用いて、気管支肺異形成の重症度とNGALとの関連を解析予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度、当該年度に当センターに入院した早産児において、気管支肺異形成例、非発症例の入院時、生後2週間、日齢28、退院前の血清を冷凍保存している。また気管支肺異形成を発症し臨床上必要と考えられた児では、退院前に肺コンピュータ断層撮影を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
症例を集積し、保存血清を用いてneuro@hil gelatinase-associated lipocalinをELIZA法で測定する予定である。IL-6などの炎症性サイトカインに関しては、マイクロビーズ法を用いて測定する予定である。
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Causes of Carryover |
現在症例を集積中で、検体が集まり次第順次解析予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
目標症例数まで引き続き症例の集積を行う。その後NGALおよびMMP-9、炎症性サイトカインを測定し、その解析結果によっては、臍帯血からビーズ法を用いて好中球、単球、赤芽球を分離し、LPS等で刺激培養した後のNGAL発現およびサイトカイン発現をmRNAおよび蛋白質レベルで解析する。
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