2013 Fiscal Year Research-status Report
カルボニルストレス関連分子をバイオマーカーとした統合失調症の病態解明
Project/Area Number |
25861040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮下 光弘 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (60532132)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カルボニルストレス / 統合失調症 / ペントシジン / ビタミンB6 / 終末糖化産物 |
Research Abstract |
平成25年度には、ペントシジン、ビタミンB6などのカルボニルストレス関連分子バイオマーカーの挙動を統合失調症患者、健常者の血液を用いて解析した。その結果、上記バイオマーカーが健常者と比較して一部の統合失調症で顕著に亢進していることが再確認された。以上の結果をPsychiatry and Clinical Neuroscienceに発表した。また、カルボニルストレスを呈する統合失調症の臨床特徴をまとめた。その結果、カルボニルストレスが亢進している患者は、カルボニルストレスのない患者さんと比較して、入院患者の割合が多く、入院期間が長く、大量の抗精神病薬を服薬していることを明らかにした。また、血清ビタミンB6がPANSSで評価される統合失調症の症状と逆相関することを同定した。以上から、カルボニルストレスを呈する統合失調症患者は、Kaneらが定義する治療抵抗性統合失調症の臨床症状、経過に類似することを明らかにし、ビタミンB6がクロザピンと同様に同疾患の治療薬となる可能性が示唆された。以上の結果をSchizophrenia Bulletinに投稿し、受理された。その後、カルボニルストレスと統合失調症との因果関係にまで踏み込んで関連を検討するため、カルボニルストレスを反映するバイオマーカー(ペントシジン、ビタミンB6)の入院時、退院時における縦断的変化と臨床症状との関連を調査しているところであり、現在までいくつかのサンプルでデータを集積しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該研究の組み入れ基準に沿った症例の確保に努めているが、現段階では十分なサンプルデータがそろっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の組み入れ基準に沿った症例の確保につとめる。 症例の血液検査をタイムスケジュールに則って実施し、カルボニルストレス関連分子の血液中のデータを縦断的に追跡する。同時に、PANSSに代表される臨床症状を縦断的に評価し、候補バイオマーカー分子との関連を詳細に検討する。 検討結果をまとめて論文とし、英文ジャーナルに投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度において、当研究へ参加する被験者の確保が計画通りにいかなかったことが主な理由である。そのため、第三者による臨床評価への謝金の支払いがほとんどなく、次年度使用額が生じた。 次年度においては、次年度使用額に相当する被験者数を、次年度予定サンプル数に追加して解析を実施する予定であり、次年度使用額と次年度経費を合わせた予算で対応する計画である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Replication of enhanced carbonyl stress in a subpopulation of schizophrenia2014
Author(s)
Mitsuhiro Miyashita, Makoto Arai, Hiroko Yuzawa, Kazuhiro Niizato, Kenichi Oshima, Itaru Kushima, Ryota Hashimoto, Motoyuk Fukumoto, Shinsuk Koike, Tomoko Toyota, Hiroshi Ujike, Tadao Arinami, Kiyoto Kasai, Masatoshi Takeda, Norio Ozaki, Yuji Okazaki, Takeo Yoshikawa, Naoji Amano, Toshio Miyata, Masanari Itokawa
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Journal Title
Psychiatryand Clinical Neuroscience
Volume: 68
Pages: 83-84
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Clinical Features of Schizophrenia With Enhanced Carbonyl Stress2014
Author(s)
Mitsuhiro Miyashita, Makoto Arai, Akiko Kobori, Tomoe Ichikawa, Kazuya Toriumi, Kazuhiro Niizato, Kenichi Oshima, Yuji Okazaki, Takeo Yoshikawa, Naoji Amano, Toshio Miyata, and Masanari Itokawa
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Journal Title
Schizophrenia Bulletin
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Clinical features of schizophrenia with enhanced carbonyl stress2013
Author(s)
Mitsuhiro Miyashita, Makoto Araia, Akiko Koboria, Tomoe Ichikawaa, Kazuya Toriumia, Hiroko Yuzawab, Izumi Noharaa, Mayumi Araia, Nanako Obataa, Yuji Okazakic, Takeo Yoshikawad, Naoji Amanoe, Masanari Itokawa
Organizer
第11回世界生物学的精神医学会
Place of Presentation
京都
Year and Date
20130623-20130627
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