2013 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療反応性と関連する遺伝子変異プロファイルの同定
Project/Area Number |
25861066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
尾池 貴洋 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10643471)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子宮頸癌 / 放射線治療 / 遺伝子異常 |
Research Abstract |
本研究は、ヒトがんにおける、放射線治療への反応性と関連する遺伝子変異プロファイルの同定を目的とする。本研究施設で放射線治療される子宮頸癌患者の腫瘍生検検体から抽出したDNAについて、高速シークエンサを用い、ターゲットキャプチャシークエンス法により既知のがん関連遺伝子の変異・融合を検出する。得られた遺伝子変異情報と治療効果との関連を検討し、放射線治療反応性を規定する遺伝子の候補を抽出する。培養細胞実験系およびマウス移植腫瘍片実験系を用い、当該遺伝子産物の放射線照射への反応性に関する機能解析をおこなう。 研究初年度である平成25年度は、具体的には 以下の研究活動をおこなった。まず、本研究は臨床検体に関する遺伝子解析研究であるため、その遂行にはゲノム指針・疫学指針による施設内IRB承認が必須であった。このため、本研究を「子宮頸癌の放射線治療反応性に関与する遺伝子の同定に関する研究(前向き観察研究)」としてIRBへ申請し、承認を得た。IRB承認の後、前向きに症例集積を開始し、平成25年3月31日の段階で5例が集積された。今後も予定どおり集積を継続する。 次に、本研究施設に保存されている既採取試料の遺伝子解析をおこなうために、「子宮頸癌の放射線治療反応性に関与する遺伝子の同定に関する研究(後向き観察研究)」をIRBへ申請し、承認を得た。IRB承認の後、当該症例群の背景因子と放射線治療成績を整理し、データベース化した。結果、解析対象候補症例が約100症例抽出された。 また、本研究の進展に寄与すべく、がんの遺伝子異常に関する既報告の分析をおこなった。その結果を総説論文2編に纏め、peer reviewed journalに報告した。さらに、研究協力者である河野隆志は、ホルマリン固定パラフィン包埋組織試料から抽出したDNAの解析手法について検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
施設内IRB承認のプロセスに予想以上に時間を要したため、遺伝子異常検出の開始が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は下記(3)、(4)を、平成27年度は(3)、(4)、(5)、(6)をおこなう予定である。 (3)遺伝子異常の検出:ターゲットキャプチャシークエンス法を用い、チロシンキナーゼ遺伝子およびクロマチンリモデリング遺伝子群を含む、各種がんにおける変異好発遺伝子群や遺伝子融合を検出する。また現在開発中である、ホルマリン固定パラフィン包埋試料から抽出したDNAを用いたシークエンス法を確立する。 (4)遺伝子異常と放射線治療反応性との関連解析:治療応答群、非応答群それぞれ50例を目標に遺伝子異常の情報を取得し、臨床成績との関連を解析し、放射線治療反応性に寄与する遺伝子異常の候補を抽出する。子宮頸癌の放射線治療においては、初期治療に対する局所反応不良例や、初期治療から1年以内の早期に転移を認める症例が散見されることから、まずそのような症例に特徴的な遺伝子異常プロファイルについて解析を開始する。その後、2年無再発生存率、2年原病生存率など中期的臨床成績が集積し次第、順次解析をおこなう。個々の遺伝子単独の解析、および遺伝子群を機能別にグループ化しての解析を行う。 (5)関連解析のvalidation:(4)の解析に使用しなかった試料について(4)と同様の関連解析をおこない、抽出された候補異常遺伝子の蓋然性を検討する。 (6)候補異常遺伝子の機能解析:(5)において放射線治療反応性との関連がvalidateされた遺伝子異常に対し、培養細胞実験系およびヌードマウス実験系を用いた機能解析をおこなう。培養細胞実験系において放射線感受性との関連が認められた遺伝子異常について、異常遺伝子産物を過剰発現または発現抑制させたヒトがん細胞株をヌードマウス皮下に接種し、形成した腫瘍にX線照射し、経時的に腫瘍径を測定することで放射線感受性への影響を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度、施設内IRB承認のプロセスに予想以上に時間を要したため、遺伝子異常検出の開始が遅れた。このため、遺伝子異常検出に必要なDNA抽出試薬およびシークエンシング試薬購入が平成26年度以降へ持ち越された。 平成26年度にDNA抽出試薬、シークエンシング試薬などを購入し、遺伝子異常検出を開始する。
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Research Products
(2 results)