2014 Fiscal Year Research-status Report
Multi Shot EPI法を用いたQSI解析ソフトウェアの開発と臨床応用
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25861083
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福山 篤司 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40452198)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MRI / 拡散強調画像 / Q-space Imaging(QSI) / Echo Planer Imaging(EPI) / 画像歪み / 空間分解能 / DKI |
Outline of Annual Research Achievements |
拡散強調画像(Diffusion Weighted Image:DWI)とは、水分子の拡散現象を画像化したもので、急性期脳梗塞の臨床応用から始まり、近年では全身領域に広く用いられている. 一般的に、DWIの撮像に用いられているシーケンスはSingle Shotのecho planner imaging(EPI)であるが、磁化率効果の影響を強く受けるために画像歪みが問題となる.最近ではこの問題を低減するために、Multi Shot-EPIの一種であるReadout Segmented EPI(RESOLVE)シーケンスを用いた撮像方法が考案され臨床応用もされている.このシーケンスは共鳴信号を格納するk-spaceをリードアウト方向に分割することで位相分散による影響を低減させ、画像歪みの改善のみならず、高空間分解能撮像も可能である.そこでMulti ShotのEPIシーケンスで撮像されたDWIをQ-space imaging(QSI)の解析に使用することが可能となれば、画像歪みが少なく、高空間分解能な画像を得ることができるのではないかと考え、Multi Shot EPIシーケンスを用いたQSIの解析ソフトウェアを独自に開発し、従来より使用されているSingle Shot EPIのQSIと比較することによって、客観的な画質評価および臨床画像における有用性を検討することを本研究の目的とした. 平成26年度は、神経繊維に見立てたレーヨン糸を中空構造のナイロンファイバーに変更することによって、再現性の高い異方性拡散が得られるようになった.画像歪みに関しては、Single-shot EPI法よりもRESOLVEシーケンスの方が良好であることを定量的に評価を行った.ヒト正常ボランティアを対象にした結果では、Single-shot EPI法とRESOLVEシーケンスの見かけの拡散係数値(ADC)を比較し、両者に大きな差がないことを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究計画では、(1)QSI解析ソフトウェアの信頼性を検証、(2)拡散異方性ファントムを用いた撮像シーケンスの最適化を実施、(3)ヒト正常ボランティアでの検証準備であった. (1)については、デジタルファントムを作成し、我々が作成したソフトウェアの信頼性を検証し、問題の無いことを明らかにした.(2)については、前年に作成したファントムの神経繊維に見立てたレーヨン糸を中空構造のナイロンファイバーに変更し、安定した異方性拡散が出現するようにした.また、ヒト正常ボランティアでの撮像を考慮した撮像シーケンスの最適化を行った.(3)本研究に同意の得られた6名のヒト正常ボランティアを対象に、最適化を行ったシーケンスにて撮像を行い、従来より使用されているSingle-shot EPI法で得られた見かけの拡散係数値(ADC)とMulti-shot EPI法の一種であるRESOLVEシーケンスのADC値を比較し、両者に大きな差がないことを明らかにした. なお、画像歪みに関しては中空構造のナイロンファイバーを均等に配置したファントムにて評価を行い、Single-shot EPI法よりもRESOLVEシーケンスの方が良好であることを定量的に評価を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の前半は平成26年度の引き続きとして、ヒト正常ボランティアでの検証を実施予定である.平成26年度は6名の撮像を実施したので、平成27年度の前半には残り二十数名を撮像する.当初の計画では撮像時間などを考慮した撮像シーケンスの最適化を行う予定であったが、これは平成26年度に実施済みで有り、特に必要がないと思われる. 平成27年度の後半は、本研究で得られた研究の成果を国際的に著名な学術雑誌へ投稿する.
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Causes of Carryover |
本研究で使用する拡散異方性ファントムは専門会社へ依頼する予定であったが、見積額と納期に折り合いが付かなかった。そこで、自分自身でファントムを設計し、パーツを個別に加工してもらって、出来上がった物を自分で組み立てるようにしたため、次年度使用額が「0」よりも大きくなってしまった
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費として、データ保管用記録媒体に約100,000円、研究結果の成果発表のために、発表旅費として約550,000円、人件費・謝金として、20名程度のヒトボランティア撮影を実施するにあたり、MR装置の使用料金が約150,000円、撮影に協力して頂いたボランティアへの謝金や英文校閲費に約150,000円、その他として、報告書作成費に50,000円を予定している
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