2015 Fiscal Year Research-status Report
血管奇形に対する冷凍療法についての第I/II相臨床試験
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25861106
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤原 寛康 岡山大学, 大学病院, 助教 (70423324)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 凍結療法 / 血管奇形 / 静脈奇形 / 血管腫 / VAS / Cryoablation / venous malformation |
Outline of Annual Research Achievements |
前向き臨床試験として、血管腫血管奇形に対する凍結療法の安全性確認試験を行った。 プロトコールの予定通り9例の症例登録を行った。3例登録する毎に、1ヶ月の登録休止期間を設定し、安全面にも配慮しながら試験を進めた。登録された症例はいずれも静脈奇形で、骨盤病変が1例、残り8例は下肢病変であった。全例大きな合併症無く、問題なく凍結治療を完遂できた。重篤な有害事象は認められず、1例の入院症例を除いて、8例は外来で治療が行われた。治療後に局所の腫脹や疼痛がみられた。2例にCTCAE ver4.0でgrade2の疼痛を生じたが、保存的に改善している。他には、凍結治療中に一過性の神経症状(足の可動制限)を生じた症例を認めたが、凍結を中止すると症状の改善がみられた。 治療効果は良好で、全例で著明な疼痛の改善効果を認めた。治療前のVAS scoreは平均で6.3であったが、治療1ヶ月後には2.5まで低下した。また、治療3ヵ月後には0.4まで低下した。さらに、全例で縮小効果も認められた。大きな病変で、一部のみを治療した症例では縮小効果は限定的であったが、小病変で全体を凍結できた症例では、病変がほぼ消失した症例も6例認められた。 このように、従来の治療法では考えられない優れた治療効果を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定されている9例の症例登録は修了し、経過観察も修了している。 安全性も確認され、有効な治療効果も確認された。 研究結果は学会発表を行い、続いて論文作成に取り掛かっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果をまとめ、論文作成し投稿する。
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Causes of Carryover |
研究は順調に進行しており、最終年度は研究内容の発表段階に来ている。 最終年度には研究内容の発表及び論文作成費用が発生する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究内容の発表に使用する旅費ならびに論文作成にかかる費用を使用する予定である。
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[Journal Article] 【IVR治療戦略:術前に必要な画像診断はこれだ!】軟部血管奇形のIVRに必要な画像診断の実際(解説/特集).2015
Author(s)
三村秀文, 小川普久, 荒井保典, 橋本一樹, 濱口真吾, 中島康雄, 芝本健太郎, 宗田由子, 加藤勝也, 藤原寛康, 金澤右.
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Journal Title
臨床画像
Volume: 31
Pages: 618-626
Peer Reviewed
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