2013 Fiscal Year Research-status Report
薬剤溶出性ステント留置後の血管内膜修復に関わるテネイシンCの分子機構解明
Project/Area Number |
25861226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星 智也 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30618533)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血管内膜修復反応 / 薬剤溶出性ステント / 光干渉断層法 |
Research Abstract |
末梢動脈疾患(Peripheral artery disease: PAD)におけるステント留置術は、バイパス手術と比較して低侵襲である一方で再狭窄のリスクが残存する。近年、末梢血管においても冠動脈と同様に薬剤溶出性ステントが保険償還され再狭窄の低減効果が期待される。しかし薬剤溶出性ステント留置後の血管内膜修復遅延による長期安全性が懸念される。本研究の目的は、薬剤溶出性ステント留置後の血管内膜修復反応について、その経時的機序を解析することである。ウサギ腸骨動脈に冠動脈ステントを留置して血管内膜修復反応の動物モデルを作成した。Bare Metal Stentを13個、薬剤溶出性ステントはエベロリムス溶出性ステントを13個、シロリムス溶出性ステントを8個留置した。ステント留置後の3か月後に血管内画像診断機器(Optical Coherence Tomography)を用いて血管内膜治癒の状態を評価した。新生内膜厚はそれぞれBare Metal Stent 0.154±0.004mm、エベロリムス溶出性ステント 0.124±0.050mm、シロリムス溶出性ステント 0.112±0.053mmであり、Bare Metal Stentに比較して、薬剤溶出性ステントでは薄い新生内膜厚を認めた。OCTにおけるperi-strut low intensity areaはシロリムス溶出性ステントにおいて高頻度に認められた。またステント留置部位の腸骨動脈の病理切片を作成し、細胞外マトリックス蛋白(プロテオグリカン)の発現を検討し、現在データを集積中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ステント留置後の新生内膜厚について血管内画像解析を行った。 新生内膜組織量が当初予測していたよりも少ないため、発現タンパク質の解析に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ステント留置後の血管内膜修復反応について、血管内画像解析とともに発現タンパク質の解析についてデータを集積し、内膜修復反応の経時的変化を明らかにしていく。OCTにて観察されるPeri-strut low intensity areaは薬剤溶出性ステント留置後に高頻度にみられ、Bare Metal Stentとの比較からその機序を明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
発現タンパク質の解析が十分にできなかったため未使用額が生じた。 ステント留置方法や発現時期の再検討を行い、血管内画像所見と発現タンパク質の解析をすすめていく。
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