2014 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤溶出性ステント留置後の血管内膜修復に関わるテネイシンCの分子機構解明
Project/Area Number |
25861226
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星 智也 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30618533)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血管内膜修復反応 / 冠動脈ステント / 薬剤溶出性ステント / OCT |
Outline of Annual Research Achievements |
1. OCTによる新生内膜に関する検討:新生内膜厚は3ヶ月の時点で、それぞれBare Metal Stent 0.119±0.007mm、エベロリムス溶出性ステント 0.108±0.046mm、シロリムス溶出性ステント 0.080±0.040mmであり、シロリムス溶出性ステントで最も薄い新生内膜厚を認めた。OCTにおけるuncovered strutはシロリムス溶出性ステントにおいて高頻度に認められた。またperi-strut low intensity areaは、Bare Metal Stentやエベロリムス溶出性ステントでは1ヶ月後において高頻度に観察され、3ヶ月後ではシロリムス溶出性ステントにおいて高頻度に観察された。 2. 定量的PCR法による遺伝子発現に関する検討:プロテオグリカンやI型コラーゲンの発現は、Bear Metal Stentやエベロリムス溶出性ステントの留置後には早期(1ヶ月後)に発現し、シロリムス溶出性ステント留置後には晩期(3ヶ月後)に発現することが観察された。
以上の結果から薬剤溶出性ステント留置後の血管内膜治癒反応は、同じ薬剤溶出性ステントでも種類により異なることが判明した。エベロリムス溶出性ステント留置後にはシロリムス溶出性ステント留置後に比較して、より早期に血管内膜治癒反応が生じて、Bear Metal Stent留置後の反応に比較的類似していると考えられた。またOCTにおけるPeri-strut low intensity areaの存在は、血管内膜治癒反応が未完成の段階であり、未成熟なプロテオグリカンを反映している可能性が示唆された。
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