2013 Fiscal Year Research-status Report
α7アセチルコリン受容体刺激が筋分化・肥大に及ぼす影響
Project/Area Number |
25861352
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
笹川 智貴 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30400112)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 周術期管理学 / アセチルコリン受容体 / 筋分化 |
Research Abstract |
通常の筋肉には存在せず、発生段階の筋肉や萎縮筋に異所性に発現するとされるニコチン性アセチルコリン受容体の中枢型サブタイプであるalpha7 AChRの生理学的役割は未だ明らかではない。このalpha7 AChRが発現するとされるマウス筋芽細胞C2C12細胞の培養系の確立を当初行った。confluentに達した細胞株は低栄養培地によって筋管へと分化させ、成熟した筋管となるまで培養を継続した。分化前(day0)、分化後2(day2),4(day4),6(day6)日までの各細胞におけるalpha7 AChRの発現量はウエスタンブロット法による免疫学的手法を用いて定量を行った。alpha7はday0で最も多く認められ、分化、筋管形成が進むと共に減少していく傾向が認められた。このalpha7 AChRの発現の局在を知るために、同様の抗体を用いて免疫染色を行い共焦点顕微鏡下に観察した。通常筋肉上に発現するAChRは終板上に密集して存在しているが、異所性に発現したAChRは表面に広く分布していることが示唆されている。今年度の検討では有意な所見は得られなかったが、継続した解析を行う予定である。alpha7 AChRが発生段階の筋細胞に多く発現することは筋の分化、形成、肥大に影響を与えている可能性が考えられる。そこで各時相の細胞株にalpha7 AChR選択的刺激薬であるGTS21を投与し、この刺激が筋分化・肥大に与える影響を検討した。分化した筋管に多く発現することが知られるミオシン重鎖の発現量をGTS21投与群と非投与群とで比較した。現段階では統計学的検討を得られるまでの検体数に満たないが、GTS21投与群でミオシン重鎖が増加する傾向がみられ、alpha7 AChRの作用には筋分化促進作用が含まれる可能性が示唆され次年度も継続して研究を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は各研究とも十分な統計学的検討ができるほどの検体数には満たないが、当初交付申請書に予定された研究テーマについて今年度施行することができた。当初予定していた局在性の評価については複数の抗体での網羅的な染色像の検討が必要と考えられ次年度新たに染色用の抗体を検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、GTS21によるalpha7 AChR刺激のメカニズム解明のために、C2C12細胞内でのAkt signaling pathwayのシグナル解析を行う。また、今年度検体数が少数となっていた実験については同様の検討を継続的に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度は当大学の実験機器センター所有の大型機材を使用することができたため、大型物品購入に至らなかった経緯がある。今年度は所属講座での実験環境を整備するために必要となるため次年度繰越とした。 当初の予定通り、実験用消耗品を中心とした物品費に加え、所属講座内での実験環境を整備するため大型機器の購入にもその使用を加える予定である。
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