2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト卵子における減数分裂制御蛋白の個体加齢による発現量変化に関する研究
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25861464
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
白澤 弘光 秋田大学, 医学部, その他 (60598019)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 減数分裂 / コヒーシン蛋白 / 体外成熟培養 / ヒト卵子 / 卵子老化 / REC8 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は期間中に計17症例において、子宮体癌患者の摘出卵巣から回収した未成熟卵子について検討を行った。婦人科悪性腫瘍患者の手術時に未成熟卵子を得る報告は複数存在するが、我々が検討した症例数はこれまでの報告の中で最も多い。また、未成熟卵子を用いて検討を行った患者の年齢も35歳から43歳と、生殖年齢において妊娠率が大きく低下する年齢層であり、今回得たデータはヒト卵子の個体加齢を検討する上で重要である。 我々は17症例、計166個のヒト未成熟卵子を用いて検討を行った。ヒト卵子を検討する上でマテリアルの確保が非常に重要であるが、子宮体癌患者から研究に用いるヒト卵子を効率的に回収できることをまず明らかにした。また、回収した各年齢層の未成熟卵子を第2減数分裂期まで体外成熟培養可能であることを、つまり、研究に用いる各分裂期の卵子をそれぞれ確保可能であることも明らかにした。また、子宮体癌患者の卵巣から回収されるヒト卵子が、年齢依存性に、つまり加齢によって統計学的に有意に減少することも明らかにした。 これらの新知見は研究代表者である白澤が2013年9月にJ Assist Reprod Genet. において英文誌として報告している。これにより、各年齢層の卵子において減数分裂過程で重要となるコヒーシン蛋白の発現量を検討することが可能となった。 年齢と未成熟卵子の体外成熟培養率と併せて、コヒーシン蛋白であるREC8およびSGOL2などの検討を行った。定量方法としては蛍光免疫染色を用いてRelative Intensityで評価した。その結果および評価法は白澤が2015年2月の「産科と婦人科」において論文発表し、また同年4月の国際学会であるInternational Federation of Fertility Societiesで口演した。
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Research Products
(6 results)