2013 Fiscal Year Research-status Report
癌関連線維芽細胞を標的とした頭頸部癌の新しい治療法の開発
Project/Area Number |
25861525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
豊田 実 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70344942)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌 / 免疫学 |
Research Abstract |
初回治療として手術施行の頭頸部扁平上皮癌患者を対象にして、手術試料の癌部、非癌部より線維芽細胞を培養樹立した。これらの細胞は、CD11b-, CD34-, CD45-, CD90+, FAP+であり、線維芽細胞であることが確認できた。癌部から培養されたalpha-SMA+癌関連線維芽細胞:Cancer-associated fibroblasts(CAF)と非癌部から培養されたalpha-SMA-の線維芽細胞:normal fibroblasts (NF)の機能を比較解析した。 CAFでは共刺激分子のB7H1, B7DCの発現を認めたが、NFでは認められなかった。CD80, CD86, B7H3については両者とも発現を認めなかった。また、CAFはNFに比べてT細胞増殖能の抑制効果が強かった。この抑制効果はCAFとCAFの培養上清の両者で認められた。更に、そのメカニズムを検討するためにIL-6, IL-8, VEGF, TGF-betaのmRNA発現を調べたところ、いずれのサイトカインmRNA発現もCAFで亢進していた。 続いて、それぞれの細胞の培養上清の存在下にT細胞を培養して、T細胞に対するアポトーシス誘導能と制御性T細胞誘導能を調べたところ、CAFの培養上清はNFの培養上清に比べて有意にアポトーシスを誘導した。また制御性T細胞はCAFの培養上清との共培養にて有意に誘導された。 以上のことから、CAFはがん微小環境における免疫抑制機構の一部を担っていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
癌関連線維芽細胞を臨床サンプルより樹立する手技を確立でき、主としてT細胞に対する免疫抑制機構について明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
この実験系を用いてT細胞以外の免疫担当細胞に及ぼす影響について、更に解析していくとともに、癌細胞自身に対する作用、例えば癌幹細胞形質の獲得や上皮間葉転換などについての解析を癌細胞株を用いて進めていく予定である。 また、治療ターゲットとしてCAFの機能抑制に働く分子の同定などもマイクロアレイなどの手法を用いて行なっていく予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Prognostic significance of amino-acid transporter expression (LAT1, ASCT2, and xCT) in surgically resected tongue cancer.2014
Author(s)
Toyoda M, Kaira K, Ohshima Y, Ishioka NS, Shino M, Sakakura K, Takayasu Y, Takahashi K, Tominaga H, Oriuchi N, Nagamori S, Kanai Y, Oyama T, Chikamatsu K.
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Journal Title
Br J Cancer
Volume: in press
Pages: in press
Peer Reviewed
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