2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861617
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白矢 智靖 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60572394)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 糖尿病黄斑浮腫 / 血管内皮増殖因子 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)は糖尿病網膜症の進展において重要なサイトカインのひとつであるが、VEGFを含む各種サイトカイン濃度を網羅的に測定し、糖尿病網膜症を増悪させる因子を分子レベルで病態解明する。さらに本研究では糖尿病網膜症における視力低下の主な原因のひとつである黄斑部浮腫に着目し、黄斑部浮腫に対する治療薬としての眼科用VEGF阻害剤の硝子体内注射を必要とした患者の前房水を採取、投与前後において前房水中の各サイトカインの変動と、黄斑部浮腫の形態を画像診断により検討する。 計画:VEGF阻害剤の硝子体内注射の適応となる糖尿病黄斑浮腫を有する症例から、注射前および、その1ヶ月後に再度硝子体内注射を行う際とで合計2回において、眼圧補正によって得られた前房水を解析した(倫理委員会承認済)。黄斑浮腫に影響すると予測されるサイトカインについて網羅的に解析した。また、治療の評価として視力検査、黄斑部浮腫の形態を光干渉断層計を用いて評価を行った。 検討項目:初回注射時に治療前として得られた前房水の各種サイトカイン濃度および黄斑浮腫に対する効果の相関関係を求めた「検討1」。初回注射時および2回目注射時に得られた前房水サイトカイン濃度の変化と、VEGF阻害剤が黄斑浮腫に与える効果について相関関係を求めた「検討2」。 結果:13眼、37種の各サイトカインについて検討を行った。「検討1」においては、特定のサイトカインが上昇している場合にVEGF阻害剤によって効果的に黄斑浮腫を軽減させること、「検討2」では黄斑浮腫が改善された場合に特定のサイトカインが有意に影響を受けている結果が示された。 今後、黄斑形態の他に症例や糖尿病網膜症の個体差を含めて検討し、新たに結果をまとめて学会発表、論文執筆を行う予定である。
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