2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861691
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
佐藤 精一 大分大学, 医学部, 研究員 (50457628)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多血小板血漿 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の検討では、DMマウスを用いて人為的に皮膚潰瘍を作成し、これに多血小板血漿を添加した群と、しなかった群とで比較検討した。しかし、それのみのモデルにおいても、創傷治癒の早さに有意差は生じなかった。有意差をみるためには、さらに治癒に時間がかかるモデル作成が必要と考えた。そこで、DMラットに1日2mg/kgのステロイドを局注を7日間連続行い、さらに創傷治癒遅延を起こすモデルを作成した。すると、多血小板血漿を添加した群と、添加しなかった群れとで、有意差をもって上皮化する早さに差が生じることが分かった。このモデルで、潰瘍形成から7日目に潰瘍部の組織を採取して、HE染色で確認したところ、上皮化している辺縁の重層扁平上皮の厚さに有差を持って差が生じていることが分かった。さらに、切片内に新生している毛細血管の数を比較したところ、明らかに多血小板血漿を添加した群において、有意に毛細血管の申請が確認された。さらに、このマウスモデルを用いて、全層植皮を行った。その際に、植皮真皮内に多血小板血漿を局注した群と、行わなかった群とで、植皮の生着率に差が生じるかどうかを検討した。しかし、これらのモデルでは、マウスによる植皮への直接的ダメージなどがあり、十分な観察ができなかった。そこで、マウスを個別のゲージに入れ、四肢の届きにくい背部正中に植皮するなどの工夫をして観察を現在行っている。今後はデータを蓄積してさらなる検討を行う予定である。
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