2013 Fiscal Year Research-status Report
アルカリ感受性TRPチャネルを介した反応性修復象牙質形成機構の解明
Project/Area Number |
25861762
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
津村 麻記 東京歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90582346)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 象牙芽細胞 / アルカリ刺激 |
Research Abstract |
歯科臨床では第三象牙質、象牙質橋(dentin bridge)形成を誘発する目的で水酸化カルシウム製剤やmineral trioxide aggregate(MTA)が使用されている。しかし、これらの製剤が象牙質形成過程を駆動する機序は不明である。これらの薬剤の共通点としてアルカリ性であることがあげられる。そこで、本研究では象牙芽細胞におけるアルカリ刺激感受性を検討した。 新生仔ラット切歯から得た歯髄スライス標本上でdentin sialoprotein, nestin, dentin matrix protein-1の免疫蛍光染色により象牙芽細胞を同定し、fura-2を用いて細胞内カルシウム濃度を計測した。 ①アルカリ刺激に対する象牙芽細胞の応答の脱感作の有無を検討した結果、脱感作しないことが示された。 ②pH9.5のアルカリ刺激に対する細胞外カルシウム濃度依存性を検討した。アルカリ刺激に対する象牙芽細胞の応答はカルシウム濃度依存性を示した。 ③アルカリ刺激感受性のチャネルでTRPM8, TRPA1チャネルについて免疫組織化学染色と細胞内カルシウム濃度測定により検討した。その結果、象牙芽細胞にはTRPM8, TRPA1チャネルが膜遠心部と象牙芽細胞突起に発現しており、アルカリ刺激はTRPA1チャネルにより受容されることが示された。象牙芽細胞におけるTRPM8, TRPA1チャネルについて温度感受性についての検討も行い、発現を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アルカリ刺激感受性TRPチャネルの検討を行う前にアルカリ刺激に対する象牙芽細胞の応答を検討する必要があり、pH依存性や細胞外のカルシウム濃度依存性についての検討を追加したため。加えて、それらの検討においてpHをそろえた実験を行う手技の確立に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
次の4点において検討する。 ①アルカリ刺激感受性チャネルであるTRPM7, TRPP2チャネルの象牙芽細胞における発現の検索 ②siRNAを用いたアルカリ感受性と機械感受性を有するTRPチャネル(TRP M8, A1, P2, M7)の検索 ③象牙芽細胞におけるTRPチャネルとNCXとの機能的連関の検索 ④NCX, Ca2+-ATPaseの象牙質形成への寄与に対する検討
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物を3月に購入予定であったが、使用しなかったため。 平成26年度の実験動物や試薬の購入またはpHメーターの購入にあてる
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