2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞による膜ナノチューブを介した破骨細胞分化制御
Project/Area Number |
25861853
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 良 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60637924)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナノチューブ / 破骨細胞 / 骨蓋細胞 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々はナノチューブと呼ばれる微小な構造体によって骨芽細胞がより直接的に破骨細胞と分子移動などの情報交換を行っていることを明らかにすることを目的とし実験を行った。新生児マウス頭蓋骨より採取した骨芽細胞と破骨細胞を共培養した細胞実験を行ったところ骨芽細胞と破骨細胞間にナノチューブが形成されることを確認した。同時にナノチューブを介して骨芽細胞の細胞膜リン脂質が破骨細胞へと移動することを確認したが、一方で破骨細胞の細胞質に存在するGFP蛋白の骨芽細胞への移動は確認されなかった。また骨芽細胞&-破骨細胞間でナノチューブの形成が確認されたのみならず骨芽細胞-骨芽細胞間でもナノチューブの形成が確認された。骨芽細胞は間葉系幹細胞(MSC: mesenchymal stem cell)より分化することが知られているため、我々はMCSを用いてMSC間でのナノチューブを介した分子移動についても検討を行い、MSCの細胞培養においても細胞間のナノチューブの形成を確認した。GFP発現マウスより採取したMSCと細胞質内のミトコンドリアを蛍光標識したMSCを共培養したところ、細胞内ミトコンドリアがナノチューブを介して別のMSCに移動している所見を得た。また全身的に炎症を惹起させたマウスから採取したMSCと野生型マウスから採取したMSCではナノチューブを介したミトコンドリアの交換率に差を認めた。細胞膜リン脂質には脂質ラフトと呼ばれる膜を介したシグナル伝達や細胞内小胞輸送に関わる膜タンパクの集積構造があることが知られており、細胞膜のリン脂質の移動が起こることで骨芽細胞-破骨細胞間で何らかのシグナルなどの情報伝達が行われている可能性が考えられる。
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