2014 Fiscal Year Research-status Report
差分進化アルゴリズムを応用し多細胞同時異方向制御を可能とする多目的培地の開発
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25861904
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (90547259)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨再生 / 血管 / 差分進化 / 細胞培養 / 培地 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌、顎骨骨折などによって生じた骨欠損修復は、歯科における重要な検討課題となっている。特に、広域にわたる骨欠損では、患者の手術的および精神的負担は著しく、効果的な治療法の確立できれば、患者の生活の質的向上へ大きく寄与できる。広域骨欠損の治療では、血管網の再構築が困難であり、骨再生担体または欠損中心部への迅速な栄養・酸素供給技術の確立が必須となる。従って、これまでも生体内で骨形成因子に加え血管新生因子を徐放させる試みや、幹細胞と血管内皮細胞を移植し、血管網と骨の両組織再生を促す方法などの試みが国内外で盛んに行われてきた。しかしながら、これらの手法はいずれも、生体内で初めて両組織再生が開始され、治癒期間が極めて長くなる点に大きな課題を残す。この課題を克服するため、生体外であらかじめ血管網を張り巡らせた骨様組織(血管網内包骨様組織)を構築し、その後移植を行う先駆的な試みが注目を集めている。しかしながら、これまでの報告では、未だ生体外で十分な血管網や骨組織の両方を構築するには至っていない。同目的を達成するためには、複数細胞を「生体外の同一空間内で同時に」それぞれ別目的へと制御する技術が必要となるものの、未だ確立されていない。本申請は、申請者らが開発を進めている革新的複合薬創生技術(FSC:情報工学と生物学的評価の融合技術)を駆使し、多目的培地開発の基盤を築く事を目的とする。特に、FSCを用いて数限りない組み合わせが考え得る複数の培地成分を迅速に最適化し、生体外で血管網の構築、かつ骨芽細胞分化を同時に促す二目的培地を創製する。同内容では、培地成分の選定が結果を大きく左右する事から、H25年度にプロトタイプとなる培地の成分を決定した。平成26年度は引き続きプロトタイプとなる培地が骨芽細胞に及ぼす影響を確認すると共に、差分進化で用いるアルゴリズムの修正を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究ではFeedback system control(FSC)の応用が鍵となる。FSCで用いる差分進化アルゴリズムに改良が必要であったため計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度に遂行するはずであった培地の最適化を進めた後、27年度の研究計画に戻る予定である。
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Causes of Carryover |
研究のカギである差分進化アルゴリズムに修正が必要であったことから、停滞した研究分を平成27年度に行うため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アルゴリズムの修正が終わり次第、H26年度、27年度の計画に乗っ取り、当研究費を使用して差分進化を用いた2細胞同時制御培地の調製に取り組む予定である。
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