2014 Fiscal Year Annual Research Report
いびきの音響解析を用いた新たな口腔内装置の適応基準の確立
Project/Area Number |
25861951
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
菅 北斗 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40610621)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 音響解析 / 流体解析 / 口腔内装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療をより効果的に行うために、OSASに随伴するいびき音の音響解析法を開発し、これを用いて睡眠中の気道の狭窄部位を診断する方法を確立し、さらに流体力学解析法を用い口腔内装置(OA)の作用機序を明らかにすることを目的とした。 いびきは聴覚的に振動型いびきと狭窄型いびきにわけられ、振動型いびきは、軟口蓋を音源とするいびきで基本周波数は150Hz以下で、比較的正確な周期が保たれる。これに対し狭窄型いびきは、舌根沈下や扁桃肥大などの狭窄した空間を空気が無理やり通過する際 に起こるいびきであり、基本周波数は500Hz程度で、不規則な周波が特徴であることが分かった。 また、OAの作用機序を明らかにするために、固定型OAと半固定型OAの2種類のOAについて検討した。PSG検査の結果から、無呼吸・低呼吸指数(AHI)は両装置とも有意に改善しており、OAはOSASの治療に有効である事が確認された。また、 CTデータから気道形態の変化および、熱流体解析ソフトPHOENICSを用い、吸気時における気道の流体力学解析をおこなった結果、固定型OAでは舌根部レベル、半固定型OAでは軟口蓋レベルの気道面積が有意に拡大し、大きな陰圧であった同部の気道内圧は、OA装着により有意に改善していた。これらの結果から、OAの種類により作用部位が異なっている事が示唆された。 今後さらなるいびきの音響解析を行い、いびきの特徴を明らかにすることができれば、OSASの診断に有用な音響学的パラメータが検出できると考えられ、これらのパラメータを基にOSAS発症の原因部位を特定する事ができれば、OAの種類を使い分ける事ができ、現在のAHIによる重症度別のOA適応基準とは異なった、より効果的な新たなOAの適応基準を提案できると考える。
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