2013 Fiscal Year Research-status Report
Brachyuryノックダウンによる口腔癌幹細胞を標的とした新規治療法の開発
Project/Area Number |
25861958
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 洋輔 九州大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (60636554)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / Brachyury / ノックダウン |
Research Abstract |
(研究目的)近年、様々な癌腫において治療耐性の原因として癌幹細胞の存在が指摘されており、癌幹細胞を標的とした治療法の確立が必須である。当研究室では、癌幹細胞の制御に転写因子Brachyuryが関与する事を明らかにした。本研究ではBrachyuryが癌幹細胞を標的とした治療に有用な標的分子であり、臨床応用へ発展させるための遺伝子治療の新しいツールとして応用できる可能性を検索する。ことを目的とする。 (研究実施計画)T-box転写因子Brachyuryをノックダウンする事により、現在まで以下のような結果を得ている。癌幹細胞の浸潤抑制ではBrachyuryノックダウンが細胞遊走能に与える影響を、Wound healing assayにより判定した。すると、Brachyuryをノックダウンした細胞の遊走能は抑制されていた。次にBrachyuryノックダウンによる細胞浸潤能の評価を、原発巣離脱モデル(腫瘍細胞の凝集塊の辺縁から離脱した全ての細胞の距離を測定し、浸潤能としたモデル)により解析した。コントロール細胞では仮想間質を浸潤しながら離脱していく様相が観察できた。一方でBrachyuryノックダウンでは癌細胞の離脱が抑制されていた。 抗癌剤に対する耐性減弱効果は抗癌剤に対するBrachyuryノックダウンの効果もコントロール細胞と比べ有意に低下した。放射線に対する耐性減弱効果は癌幹細胞は、放射線に対しても耐性を持つことが知られているため、その耐性についてもコントロール細胞と比較した所、Brachyuryノックダウンは有意に放射線耐性を減弱させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画、方法及びその根拠が的確であったため、実験がスムーズに進行したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は 1) マウス転移モデルにおいてBrachyuryノックダウンした癌幹細胞が造腫瘍性・転移・薬剤耐性・放射線耐性に影響を与えるか 2) マウス転移モデルにおいてBrachyury shRNAを局所投与し、Brachyuryノックダウンが可能か 3) さらに2)が可能であれば、Brachyury shRNA局所投与により、転移・薬剤耐性・放射線耐性に影響を与えるか について検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費での使用が少なかったため。 次年度において、実験計画を再度検討する。
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