2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌における脱アセチル化酵素SIRT1発現の細胞生物学的意義の検討
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25861990
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
Principal Investigator |
野口 映 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (10456395)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | SIRT1 / エピジェネティクス / 扁平上皮癌 / HDAC / 口腔癌 |
Research Abstract |
1)神奈川県立がんセンターにて治療された437症例の検体を用い、SIRT1発現を免疫組織学的に評価した。その結果、SIRT1の発現は79.6%の症例においてみられ、リンパ節転移とステージに負の相関を示し、予後良好因子 (p=0.011) であるということを明らかにした。部位別に、舌およびそのほか口腔に限定した場合においても、同様の傾向を示し、COX比例ハザードモデルを使用した多変量解析を行い、その発現が独立した予後規定因子であることを証明した。 2)内在性にSIRT1の発現が高い細胞(B-88)に対し、RNA干渉法を用いたSIRT1の発現抑制を行った。また、内在性にSIRT1の発現が低い細胞(HSC-2およびHSC-4)へは、リポフェクション法により、SIRT1の発現ベクターを導入し、強制発現を行った。今後は、これらの細胞における細胞増殖能、細胞遊走能、細胞周期、浸潤能をそれぞれMTTアッセイ法、フローサイトメトリー、wound healingアッセイ法、トランスウェルアッセイ法を行い、比較検討する予定となっている。 3)in vivoでの実験系を行うにあたり、一過性の遺伝子発現では長期間に渡る検討に適していない。そのため、通法に従い、SIRT1の発現ベクターを導入したのち、薬剤選択マーカーG418を使用し、クローニングを行い、定常発現株を樹立する。現在、TET-ON 3Gシステムを用いた細胞株を樹立を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SIRT1安定発現細胞株の作製において、通法通りの実験系では樹立することができなかった。そのため、テトラサイクリン依存性のシステムを用い、実験の継続を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定された計画に基づき、実験の遂行を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定した実験が計画変更により、本年度の予定となったため。 順次、予定した試薬を購入予定である。
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Research Products
(1 results)