2014 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ発症における歯周病原細菌由来シトルリン化酵素PADの影響
Project/Area Number |
25862051
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
應原 一久 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (80550425)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯周炎 / リウマチ / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、RAと歯周炎の関連について、特に歯周病原細菌により生成されたシトルリン化タンパク質が、関節リウマチ(RA)発症に影響していることを分子レベルで明らかにすることである。RAの発症にはシトルリン変換酵素PeptidylArginine Deiminase (PAD)によるシトルリン化タンパク質(CP)が関与している。しかし自己由来だけではなく、慢性歯周炎の原因菌Porphyromonas gingivalis(Pg)もPADを有する。また臨床的に歯周炎治療の奏功がRA症状の軽減と相関する。しかしCPが歯周病原細菌から生成されることは明らかになっているが、RAを発症または増悪と直接関連するとのエビデンスはない。したがって、両者の関係を分子レベルで検討し、RA発症の背景として歯周炎の重要性を明らかにすることは、歯周治療が潜在的なRA患者の減少につなぐことができる重要なテーマである。最終年度までに以下の知見を得た。1)リウマチモデルマウスに歯周病原細菌であるP.gingivalisを感染させることで重篤なRA症状を呈するマウスの作成に成功した。2)組織学的に足関節を検討したところ、多数の炎症細胞浸潤特にCD19陽性B細胞の局在を認めた。また組織中からPg由来タンパク質の検出に成功した。3)血清中において探求系細胞で強く産生されるサイトカインの誘導を認めた。また、ヒトと同様にシトルリン抗体、MMP-3の産生上昇を認めた。4)骨髄由来単球系細胞のは骨細胞への分化が促進された。以上のことからRA悪化にPg感染が強く関与しており、今後、この菌の除菌によりRA症状にどのような変化が見られるか検討する必要がある。
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Research Products
(8 results)