2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of an objective method for oral discomfort by using oral smear cytology
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25862086
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
遠藤 眞美 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (70419761)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔内違和感 / 口腔乾燥 / 口腔環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で口腔内違和感は口腔内状態や服用薬剤の影響が否定できない可能性を推察してきた。そこで,本年度は服用薬剤との関連をより詳細に検討するために薬局にて口腔内違和感の自覚,服用薬剤などについて約700人の調査協力を得た。舌粘膜の状態から,口腔乾燥の臨床診断を行えた148人において,正常が4人(2.7%),軽度が76人(51.4%),2度が46人(31.1%),3度が22人(14.9%)で,多くに乾燥所見が認められた。自覚症状として,「いつも」または「ときどき」を“あり”とすると、口が乾く58人(39.2%),口がカラカラ45人(30.4%),口がネバネバ13人(8.8%),唇が渇く33人(22.3%),唾液が出過ぎる22人(14.9%),喉が渇く44人(29.7%),乾いた食材の食事が困難21人(14.2%),話しにくい13人(8.9%),食いしばり22人(14.9%)に認めたが,これらの症状を歯科医師または薬剤師に相談した経験が各7人(4.7%),5人(3.4%)と少なかった。また,臨床診断で重度乾燥のうち,乾きの自覚があるものが5人(22.7%)と少なく,細胞所見では他覚的に粘膜の乾燥を認めても自覚のない者は深層細胞が多く,核の変化も少なく口腔粘膜細胞の代謝が円滑に行われている傾向を認めた。服用薬との関係では,乾燥重度の22人のうち13人(59.9%)が抗高血圧薬を服用していた。 既に本研究から,口の乾きの自覚者は,医療者に直接の訴えがなくても全身状態や口腔機能の減退を自覚していることから,口の乾きの自覚は口腔機能低下を反映しており,口腔機能減退など多要因での解釈が必要と推察されてきている。そこで,服用薬のリスク因子を加味したうえで自覚者と自覚のない者の細胞レベルでの詳細な検討を行うことで,簡便な全身状態スクリーニング方法の確立ができる可能性が示唆された。
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Research Products
(8 results)