2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25862098
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
工藤 ひろみ 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (50552684)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線 / 被ばく / 基礎知識 / 自然放射線 / 看護職 |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年3月11日に起きた東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、多くの一般公衆が放射線に対する漠然とした不安や健康影響への不安を抱いた。 事故から5年が経過し、現在は不安や混乱は落ち着きつつある様にみえるが、被災している現地の人々は様々な不安を抱えながらも日常生活を送っている状況にあると推察される。 この事故で、福島原発の半径20㎞県内にある地域に国の指針に基づき避難指示が出た。避難示指が出された市町村では、現在帰還に向けた取り組みなどが始まっており、人々の不安の内容も少しずつ変化しているものと考えられる。 今後は、放射線の基礎知識を普及しつつ、人々が抱える放射線についての不安などを解消することができるような人材の育成が必要となる。そこで、健康影響等の不安などについて人々が気軽に相談することができるような人材として保健師等の看護職にその役割を担うことが求められる。 本研究では、看護職の放射線に関する基礎知識を把握し、放射線の影響に関する健康相談を受ける際に不安や困難感を明らかにすることを目的として調査している。 平成26年度の一般市民を対象とした質問紙調査から、放射線の基礎知識を問う内容の精選を行った。また、平成27年度は平成26年度に行った一般市民が抱く放射線に対する不安事項の自由記述をまとめており、その結果を看護職に対する調査の質問事項に追記し、平成27年度に引き続き調査を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者は平成26年度の4月~9月まで産前・産後休暇及び育児休業中であったため、その間研究計画を遂行することができなかった。 平成26年度の10月より復職し研究を開始する準備をしていたが、度重なる子供の病気や自身の体調不良により、研究を行うことが困難であったため、当初の計画よりも大幅に遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画立案当初の予定では、対象者の確保は東北地方の医療機関や役場に対して個別に郵送してアンケート調査の協力の可否を依頼する予定であったが、これまでの情報収集の結果から看護職が実際に放射線や被ばくにについての健康相談を行っている施設は限られていることが分かった。 協力施設の確保として、現在弘前大学と連携協定を結び支援を行っている福島県浪江町の役場職員であり、保健師業務を行っている方々の聞き取り調査を行う予定である。その他、放射線に関する健康不安の相談を行った実績のある施設に絞り調査を進めていく。
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Causes of Carryover |
育児との両立が難しく予定通りに進まなかったことが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究実施計画から大幅に遅れているため、調査の準備やデータ入力などにアルバイトの人数を複数人雇用し、人件費に充てる。
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