2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25862114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小池 祥太郎 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (30553317)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 採血 / 輸液 / 基礎看護 |
Research Abstract |
【研究方法】20週齢(体重約3.5kg)の日本白色種雄性ウサギ7匹を使用した。絶食中で24時間点滴を受けている患者を想定し、このような患者に臨床でもっとも活用されている3号輸液(商品名:ソリタT3G)と末梢静脈栄養輸液(商品名:ビーフリード)を用いた。投与速度は4.9ml/hとした。輸液開始5分後に実施部位より2cm中枢側・末梢側・反対側(右耳介静脈)から各部位2mlの採血を行った。分析は血球検査・生化学検査41項目とし、中枢側・末梢側・反対側で得たデータを比較した。 【結果】ソリタT3G投与下でTP・Alb・Na・Cl・Ca・Mgの中枢側データが末梢側と反対側に比べて有意に低かった。これはソリタT3Gのこれらの濃度が血液より低いため、中枢側では採血した血液が薄くなったと考えられる。ビーフリードでもTP・Na・Cl・Caで同じ現象が認められた。一方で、BS・Kの中枢側データが高い理由は輸液の濃度が血液より高いためであると考えられる。また、どちらの輸液でも末梢側と反対側で有意な差は認められなかったが、血糖値の末梢側データが反対側にくらべて平均値の差が大きく、さらにSDが大きかった。これはソリタT3Gおよびビーフリードに含まれる糖質が7,500mg/dlとウサギの標準的な血糖135mg/dlと比較し大幅に濃度が高いため末梢側でも影響を受けたと考えられる。このように末梢側で採血しても一部で影響がみられることが示唆された。この問題に関して輸液実施部位と採血部位との距離を一定以上取るなどの工夫が必要であると考えられ、今後の実験で明らかにしていく必要があると考える。 ビーフリードには3号輸液と比べてアミノ酸が配合されていることが特徴的であるが、アミノ酸配合の有無が血液データに影響するという示唆は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は動物実験による基礎研究を行うデータを得ることを予定していた。予定通り、動物実験により輸液実施部位の中枢側・末梢側・反対側から採血を行いデータを得た。また、得たデータを統計的処理し分析を行うことができた。 以上のことによりおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ソリタT3Gおよびビーフリード実施時、末梢側と反対側で有意な差は認められなかったが、血糖値の末梢側データが反対側にくらべて平均値の差が大きく、さらにSDが大きかった。これはソリタT3Gおよびビーフリードに含まれる糖質が7,500mg/dlとウサギの標準的な血糖135mg/dlと比較し大幅に濃度が高いため末梢側でも影響を受けたと考えられる。このように末梢側で採血しても一部で影響がみられることが示唆された。この問題に関して輸液実施部位と採血部位との距離を一定以上取るなどの工夫が必要であると考えられ、今後の実験で明らかにしていく必要があると考える。 平成26年度はヒトを対象として、輸液実施部位の末梢側・中枢側・反対側から採血を行いデータ比較する予定であったが、末梢側でも輸液の影響があったことを考えると、この影響についての理由を確認する必要がある。そこで、今回の実験では輸液実施部位より2cm末梢側で採血を行っていたが、今後は5cmの間隔を開けた部位でも採血を行い、輸液実施部位との距離の違いによる採血データの差を明らかにしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度はヒトを対象とした実験のみを行う予定であったが、平成25年度の実験及び分析から、当初予定していなかった基礎研究(動物実験)を平成26年度に行う必要性が出現した。そのため、動物実験に関する予算を確保するために少額ではあるが一部の予算を平成26年度分とした。 新たに行うことになった動物実験に関する予算とする予定である。
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