2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25862114
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小池 祥太郎 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教 (30553317)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 基礎看護学 / 看護技術 / 採血 / 採血部位 / 輸液 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】リンパ節郭清を伴う乳房切除を行った患者や、透析用シャントを造設した患者が輸液をする場合、健側にラインが確保されることが多い。このような場合、患側からの採血は禁忌であり下肢の静脈が採血部位として選択されている現状がある。しかし、下肢からの採血は血栓形成のリスクがあり採血部位として推奨されていない。輸液は静脈から実施されるため解剖学的に輸液実施部位より中枢側に流れていく。よって、輸液実施部位より末梢側を採血部位として選択することで輸液の影響を受けずに採血できる可能性がある。そこで、研究者は実験動物を用いた基礎研究を行い、その後、ヒトを対象者として実証し臨床での応用を可能にすることを目的とした。 【方法】動物実験:20週齢(体重約3.5kg)の日本白色種雄性ウサギ7匹を使用し、左耳介静脈に輸液ラインを確保しソリタT3Gを開始した。輸液開始5分後に実施部位より2cm中枢側・末梢側・反対側(右耳介静脈)から各部位2mlの採血を行った。中枢側・末梢側・反対側で得たデータをTukeyの検定で比較した。実証研究:対象者5名に対して、左上肢前腕からソリタT3Gを84ml/hで開始し、5分後に2人の看護師が輸液実施部位の15cm末梢側である手背および反対側の上肢の肘窩部より同時にホルダーを用いた真空採血法で採血を行った。末梢側、反対側で得たデータをpaired t-testで比較した。 【結果】動物実験で、輸液実施部位より中枢側および輸液実施部位に近い末梢側で採血した血液データの場合、輸液の影響を受けることが示唆された。そこで、ヒトでの実証研究では、輸液実施部位より15cm末梢側で採血を実施することとした。実験の結果、輸液実施部位より15cm末梢側で採血した血液データは輸液の影響を受けていなかった。よって、輸液実施部位より15cm末梢側から得られた血液データは対象者の生体機能を正確に反映しており、採血部位として適切であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)