2014 Fiscal Year Research-status Report
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25862116
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
服部 美香 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (60618320)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護師が職業上直面する問題 / 問題診断尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護師が看護実践上直面する問題を質的帰納的に解明し、それを基盤とする信頼性と妥当性を確保した「看護実践上直面する問題診断尺度(仮)」を開発することを目的とする。 平成26年度は、前年度課題として残った本研究における用語「看護実践上」の位置づけを検討した。その結果、本研究に着手して以降、看護師が直面する問題が多様な側面から解明され続け、その克服法も合わせて解明していることを確認した。また、看護師が職業上直面する問題を解明した先行研究は、データ収集を2004年に行っており、既に10年以上が経過している。この間、保健師助産師看護師法の一部改正やカリキュラム編成、新人看護職員研修の努力義務化、看護の役割特定行為に係わる看護師の研修制度の創設など、著しい社会的変化が生じている。これらは、生涯研鑽することを責務とする看護師にとって、10年前に直面していた問題と現在直面している問題に変化が生じている可能性を示し、多くの看護師が、現在、様々な側面に生じる問題を解決すべく、その克服方法も含め、解明している現状を示唆した。 そこで、本研究は、「看護実践上」のみならず、「職業上」直面する問題に焦点を当て、現在、多くの看護師が直面している問題の全容を明らかにすることとした。同時に、その問題を克服できた方法も解明し、本研究の最終目的である看護師の問題解決力向上に向けた支援システム構築に活用することとした。 平成27年度は、質問紙に克服方法を問う質問を加え、パイロットスタディを2回実施し、内容的妥当性を確保する。さらに、全国調査を実施し、Berelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いて分析し、看護師が職業上直面する問題とその克服法を明らかにする。加えて、カテゴリの信頼性確保に向け、カテゴリへの分類の一致率をScott,W.A.の式に基づき算出し、カテゴリの信頼性を確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度の研究計画が遅れた理由は、文献検討の目処が立たなかったことがあげられる。平成25年度の課題を克服すべく、平成26年度、文献検討を再度行った。看護師の問題や困難に関する研究は、年々件数が増加しており、文献検討に時間を要した。しかし、これを通し、解明すべき内容を明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、看護師が職業上直面する問題の質的帰納的解明を目指した質問紙調査と分析を行う。 6月中に倫理審査委員会の承認を得、パイロットスタディを2回行い、7月中に全国調査を行う。また、8月中旬から1月まで分析を行い、2月には信頼性の検討を行う。 なお、筆者は、分析能力を向上するために、平成26年度に他の研究者が行う分析(本研究が用いるベレルソンの方法論を参考にした看護教育学における内容分析)に参加し続けてきた。そのため、準備状態は充分に整えられている。また、筆者は、尺度開発経験を複数有しており、専門家会議やパイロットスタディ、全国調査のための準備に精通している。さらに、研究協力者の支援を全面的に受けることができ、毎月、本研究の検討をする計画を立てた。
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Causes of Carryover |
平成26年度に行う計画であった、パイロットスタディや全国調査、分析のためのデータ入力、分析に用いる文房具の購入等ができなかったため、それらにかかる費用が残っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額となった62万円は、平成27年度、2回のパイロットスタディおよび全国調査にかかる印刷費や郵送費、データ入力費として使用する。
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Research Products
(1 results)