2014 Fiscal Year Research-status Report
看護職のストレス対策のためのマインドフルネス・アサーションプログラムの開発
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25862122
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
立石 彩美 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (00514861)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マインドフルネス / アサーション / 看護職 / メンタルヘルス / プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、前年度に作成したプログラムを、協力の得られた1総合病院に勤務する看護職9名に対して実施し、自記式質問紙による調査を行った。 協力の得られた1施設に勤務する看護職全員に、各部署に研修・研究のお知らせと内容についての資料を配布し、参加を呼びかけるポスターを掲示してもらった。その結果、9名の参加希望があった。参加者数が少なかったため、今回は対照群を置かず、9名に対してマインドフルネス・アサーションプログラムを実施した。 プログラムは、対象施設の看護部と現実的に参加可能な回数を検討し、全6回(2週間に1回、3時間)のプログラムとした。前半3回は、マインドフルネスについて学び、体験する内容で、後半3回は、マインドフルネスの瞑想をはじめに行い、その後、アサーションの理論や考え方、方法について、講義とグループワークを通して学ぶ内容とした。プログラムの講師は、マインドフルネスの実践指導者研修とアサーション・トレーニングのトレーナー研修を受けた研究代表者が行った。プログラムの評価は、1回目の研修実施前と、6回目の研修実施直後、研修終了2ヵ月後(フォローアップ研修時)に、質問紙調査を行った。質問紙調査の内容は、基本属性(年齢、性別、経験年数、勤務形態、職種など)、日本語版POMS(Profile of Mood States)、K6日本語版(精神的健康度を測定する尺度)、日本語版Maslach Burnout Inventory -General Survey、職業性ストレス簡易調査票の一部、日本語版Utrecht Work Engagement Scale、研修参加の感想(自由記載)とした。現在9名の質問紙調査のデータを分析中であり、参加者へのインタビュー調査も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、作成したマインドフルネス・アサーションプログラムを、対象施設の協力により、プログラムに興味・関心を持ち、研究の同意を得られた参加者9名に実施することができた。対象者は、9名と少なかったが、計画した全てのプログラム内容を実施することができた。プログラム実施前、実施直後、プログラム終了2ヵ月後(フォローアップ研修時)の3時点で、参加者への質問紙調査による、プログラムの評価を実施することができた。現在、質問紙調査のデータを分析中である。参加者が少なかった点については、勤務部署の状況によってなかなか研修に参加する時間をとることが難しく、関心があっても参加できなかった対象者がいる可能性があった。研修実施にあたっては、講師1名に9名の参加者で、講師は一人一人の状態や理解度を把握して進めることができた。また、研修の回を重ねるごとに、講師1名と9名の参加者のグループの相互作用が高まり、お互いの気づきを深めることができた。質問紙調査では測定できない、研修による参加者への影響を調べるために、現在、インタビュー調査を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、調査の量的データを分析し、プログラムの効果について検討するとともに、インタビュー調査の参加者を引き続き募集し、質的な変化についても明らかにしていく予定である。インタビュー調査の対象者が必要な人数集まらない場合は、インタビューの方法についても検討していく(個別インタビューでなく、フォーカスグループインタビューにするな等)。学会等で、実施したマインドフルネス・アサーションプログラムの内容と参加者の変化について発表し、様々な視点からの意見を踏まえ、今後さらに効果的なプログラムにするための示唆を得る。
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Causes of Carryover |
今年度は、作成したプログラムの実施、参加者への質問紙調査を行い、次年度に、インタビュー調査、学会発表、論文投稿等を進めていく予定である。インタビュー調査が予定よりも時期が遅れ、次年度に実施となり、学会発表や、論文投稿準備、実施した研修に対する専門家からのスーパーバイズも次年度に進めていく予定になったことから、それらにかかる費用を次年度に使用することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度にインタビューにかかる交通費や謝礼にかかる費用を使用予定である。また、学会発表、論文投稿を次年度に進めていくことになり、文献取り寄せ費、発表資料の準備、論文投稿準備、出張費を使用予定である。また、作成し実施したプログラムに対し、専門家からのスーパーバイズを受ける費用についても使用予定である。
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