2014 Fiscal Year Research-status Report
新人看護師の臨床実践能力獲得をめざした学習支援システム構築に関する基礎的研究
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25862125
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
西田 朋子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (20386791)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 新人看護師 / eラーニング / 教材作成 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、前年度に作成した1つの教材について幅広い看護スタッフからの評価を得て完成させることが目標であった。 この目標を達成するために、研究協力施設とのプロジェクトチームの活動を5回実施した。活動では、撮影した映像教材の確認と修正、運用に向けて、教材の評価についての話し合いを重ねた。その結果、施設の実態にあわせた教材(点滴作成、手洗い)が完成した。 完成を目指した活動として、①部署で指導するスタッフの視聴、②新人研修での仮運用を行った。その結果、部署のスタッフからは「自分達の実践の振り返りになる」「個人情報の観点から、被写体の氏名等は見えないほうがよい」「10分程度という時間はちょうどよい」等の意見が聞かれ、新人看護師からは「実際に部署で使われている物品、手順、環境で映像が進行していくため、イメージがしやすかった」という意見が多くあり、好評価だった。いくつかの改善点をもとに、映像を完成させた。 今回の研究の1つの特徴は、現場で管理者ではないが指導的立場に立つ経験年数の比較的浅い看護師とともにプロジェクトチームをつくり、教材作成を行うことがあげられる。したがって、現場で活用可能な教材が完成するまでのプロセスをプロジェクトチームに参加した看護師の体験を分析し、第34回日本看護科学学会学術集会(名古屋)の示説で発表した。開発プロセスと看護師の体験としては、≪現場の状況を振り返りながら活用可能な教材を考える≫≪メンバー自身が新人時代の経験の困った経験を振り返る≫≪自身の日頃の看護実践を振り返り、確実な方法との照らし合わせを行う≫≪教える側の意識や行動を見直す必要性に気づく≫等があった。このような教材作成を行った結果、施設にあわせた教材作成ができるメリットもある一方で、技術的、時間的な側面から課題もあることが見えてきた。 また平成27年度の教材評価(質問紙)に向けた準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも示したように、平成26年度は1つの教材について洗練させて完成させることであったため、その目的は十分達成されている。さらに、eラーニングを現場で導入するうえでの課題や教材作成についての課題も同時に明らかになり、予定通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、平成27年度は作成した教材を実際に運用して、学習効果を測定する。 一方で、eラーニングという学習支援だけでは新人看護師の臨床実践能力の獲得には限界もあることが明らかになってきているため、その限界を明確にしていくことが1つの課題である。それを踏まえて、eラーニングのメリットをいかした現任教育において新人看護師の臨床実践能力を向上させるための方略と、他の支援方法・内容のあり方について、多岐にわたる視点から検討していくことを課題とする。
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Causes of Carryover |
研究成果の学会発表を2名で行い、当初2名分を支出する予定だったが、1名が同じ学会での発表があったため旅費が他から支出できたため繰越金額が生じたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成25年度に行った米国視察の内容について、雑誌にて公表することになったため、内容の確実性を担保するためにインタビューの翻訳が必要になった。そのため、「その他」のテープ起こし委託費にあてる。
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Research Products
(1 results)