2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25862129
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
原 明子 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (70585489)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 採血 / 穿刺角度 / 超音波診断装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、血管の深さによる静脈穿刺角度を明らかにすることを目的とし、本年度は得られた画像をもとに血管の深さによる穿刺角度を明らかにした。 32mmの穿刺針を使用し、8mm挿入するケースでは、穿刺角度は最も皮膚表面から血管の中心までの距離が短かった2.0mmの場合、穿刺角度は14.5°、最も距離の長かった5.9mmの場合、穿刺角度は47.5°であった。穿刺針を10mm挿入するケースでは、穿刺角度は最も皮膚表面から血管の中心までの距離が短かった2.0mmの場合、穿刺角度は11.5°、最も距離の長かった5.9mmの場合、穿刺角度は36.2°であった。穿刺針を12mm挿入するケースでは、穿刺角度は最も皮膚表面から血管の中心までの距離が短かった2.0mmの場合、穿刺角度は9.6°、最も距離の長かった5.9mmの場合、穿刺角度は29.5°であった。 最小の値である、10~15°の角度は、標準採血法ガイドラインで、皮膚に対して深部の血管以外は通常20°以下の角度で十分穿刺可能であると記載されているが、特に浅い場合は、角度をつけ刺入長さを長くすれば血管を突き抜ける可能性を示唆している。よって安全に刺入するためには、10~15°の角度を考えて穿刺すればよいと考えられる。 最大の値である30~45°の角度が得られたことに関しては、標準採血法ガイドラインや看護学テキストには、皮膚に対して30°以下の範囲と書かれていることから誤差が生じる。この理由として、採血中には血管の中で針が動かないように注射器を保持している以外の指で対象者の上肢との安定を保つ必要があるが、角度を大きくすると採血者の指と置いている対象者の上肢とが安定しないことが一つとして考えられる。
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