2014 Fiscal Year Annual Research Report
集中治療室入室患者の危険行動に関係する要因の研究-リスクマネジメントと現場教育-
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25862163
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
及川 洋 群馬パース大学, 保健科学部, 非常勤講師 (30616701)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 集中治療室 / POMS / リスクマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
ICUにおける患者の気分・感情状態、患者状態を把握し、危険行動発現要因を予見するために、予定手術の患者50名を対象とし、日本版POMS短縮版と性格型分類の質問紙調査を行ったところ、性格型によって気分・感情状態の各種項目に差が見られた。感情表現や行動に対して抑制的で情緒不安定とされる内向型は、手術前の「緊張・不安」「抑うつ」「混乱」の項目で平均点とされる50点を超える高い値を示し、心理的ストレスが強いことが示唆された。 また、危険行動の有無とPOMS得点及び患者状態をクロス集計した結果、p<0.05で有意差が見られた項目は「内向型性格、ICU在室日数3日以上、手術前からの睡眠導入剤の常用、手術時間451分以上、気管内挿管・気管切開がある、術中出血量201ml以上」であった。 さらに上記の通り、危険行動の有無を従属変数とし有意差の見られた患者状態を説明変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った結果「気管内挿管・気管切開がある(OR=26.421 ; 95%CI=2.712-257.383)」、と「手術前からの睡眠導入剤を常用OR=11.256 ; 95%CI=1.135-111.628)」が抽出された。 本研究結果から、看護師が手術前に得る患者状態を統合的にアセスメントすることで、ルート類の自己抜去といった手術後の危険行動発生の予測に役立つことが示唆された。研究結果の活用・周知徹底については、まずA病院看護師に対してリスクマネジメントや重症患者対応を目的とした教育研修開催時の資料やマニュアルとして使用する。また、全国規模の学会発表を通して広く周知させる。
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