2015 Fiscal Year Research-status Report
婦人科がん続発性リンパ浮腫の早期発見・早期対処を促す介入の開発
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25862172
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Research Institution | Kyoto College of Nursing |
Principal Investigator |
中森 美季 京都看護大学, 看護学部, 講師 (30516951)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 続発性リンパ浮腫 / 婦人科がん / リンパ浮腫ケア / 患者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、婦人科がん術後の入院中の介入及び退院後外来フォロー中の介入の連続性に 着目し、病棟看護師および外来看護師の介入の差異を明らかにし、これまでの研究成果をふまえ て、婦人科がん術後の入院中の介入及び退院後外来フォロー中の介入の連続性により、婦人科が ん術後続発性リンパ浮腫の初期徴候の早期発見と初期徴候への早期対処を促進する介入方法の開 発することを目指すことである。 研究1として、全国の婦人科がん術後のリンパ浮腫に携わる外来及び病棟看護師に対しアンケート調査を実施し、外来と病棟の連携に関するリンパ浮腫ケアの実態を調査した。結果、病棟と外来で連携があるとした施設は、61%であった。連携の実際では、多い順に、カルテ上で情報共有をする(92%)、外来と病棟の看護師間での申し送りをする(64%)、外来と病棟で共通した指導パンフレット等の媒体を使う(64%)、病棟と外来で共通した記録用紙がある(32%)、外来と病棟でカンファレンスをする(20%)であった。また、病棟に勤務しながら、外来に応援に行ったり、外来を担当する日をもっているなど、病棟と外来の両方で直接患者のリンパ浮腫ケアに携わっている者もいた。連携の必要性について、外来看護師では、63%で連携の必要性を感じ、病棟看護師では、44%が連携の必要性を感じていた。病棟と外来の連携に影響する要因として、①リンパ浮腫の専門家の不足、②所属部署のケア体制が不十分、③自己のリンパ浮腫ケアの知識・技術の不足、④所属部署のスタッフの不足、⑤院内に連携するシステムがないと考えていた。これらの結果より、入院中から外来フォロー中の介入を連続的に行い、初期徴候の早期発見と早期対処を促進するためには、外来・病棟看護師が連携できる知識・技術・システムの構築が必要である。最終年度は、外来・病棟看護師への介入を行い、間接的に患者への介入につなげる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究1の結果より、当初予定していた婦人科がん術後続発性リンパ浮腫の患者への直接介入の前に、外来および病棟で、ケアに携わる看護師への教育の必要性が明らかとなった。それに伴い、研究計画の修正を行った。研究協力施設への依頼においても、時間を要している。研究協力施設の状況を含めながら、適宜研究計画を修正し、実施予定である介入調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の結果に伴い、当初予定していた、病棟および外来への連続した介入プログラムの作成だけでは、十分な結果が得られないと考えた。そこで、病棟および外来への連続した介入プログラムを効果的に実施するために、外来および病棟看護師に対する介入を行い、研究協力施設の状況を加味しながら、介入する看護師および病棟と外来の連携ができるシステムが構築できるようにする。 研究協力施設の選定においては、リンパ浮腫ケアへの取り組み状況がさまざまであり、本研究への参加協力と院内のリンパ浮腫ケガの現状が合致せず、困難な状況である。これから、リンパ浮腫ケアのシステムを推進している施設を選定することも含め、協力が得られるようにする。
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Causes of Carryover |
今年度実施予定であった、、婦人科がん術後の入院中の介入及び退院後外来フォロー中の介入の連続性により、婦人科が ん術後続発性リンパ浮腫の初期徴候の早期発見と初期徴候への早期対処を促進する介入方法の開発にあたり、研究協力施設の選定等に時間を要し、実施できていない状況である。そのため、研究実施にあたり必要な経費である研究協力への謝金や旅費等への使用、また、研究発表に伴う費用の使用に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度として、、婦人科がん術後の入院中の介入及び退院後外来フォロー中の介入の連続性により、婦人科が ん術後続発性リンパ浮腫の初期徴候の早期発見と初期徴候への早期対処を促進する介入方法の開発に対する介入研究を実施するため、これらに伴う旅費や謝金、また、本研究成果に対する研究発表に伴う費用として使用する予定である。
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