2014 Fiscal Year Research-status Report
脳血管障害による後遺症をもつ人の家族のMastery獲得を支援する看護介入
Project/Area Number |
25862238
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
岩井 弓香理 高知県立大学, 看護学部, 助教 (40633772)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Mastery / 脳血管障害 / 家族 / 看護介入 / ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳血管障害の発症により何らかの後遺症をもつ患者の家族がストレスフルな出来事に適応し成長に至るまでの過程を、家族のMasteryと捉え、家族がそれを獲得するための看護介入ガイドラインの作成を目的としている。 平成25年度から育児休業取得のため研究活動も休止していたが、平成26年7月1日の職場復帰とともに研究活動も再開し、ステップ1の文献検討の続きから行った。脳血管障害を発症した患者と家族への看護や在宅看護に関する文献検討を行った結果、脳血管障害による後遺症をもつ人の家族のMastery獲得を支援するための看護として、①家族が介護に向かう覚悟を決めていけるように支援する、②家族が必要に応じて社会資源を活用できるように支援する、③家族なりの方法で療養者の状態に合わせた介護スキルを獲得できるように支援する、④療養者の状態や家族の状況の変化に応じて、家族全体で役割調整できるように支援する、⑤療養者の病状やリスク、介護に必要な知識や技術、利用可能な社会資源など、家族が必要とする具体的な情報を得られるように支援する、⑥家族がいつでも地域の専門職者とつながっていられるように支援する、⑦これまでの家族生活と介護生活を統合させながら生活を再構築できるように支援する、⑧家族の現実認識を促しながら、家族に必要なことをともに考えて変えていけるように支援する、⑨家族が介護継続できていることや家族に生じたプラスの変化を肯定的に捉えられるように支援する、の9つの看護介入が抽出された。 現在はステップ2を遂行している状況である。ステップ2では、看護者から家族のMasteryの獲得を支援する看護介入を抽出することを目標としており、看護者へのインタビュー調査に向けて準備を進めている。研究者が所属する大学の看護研究倫理審査委員会の承認を得ており、地域の施設に研究協力を依頼する段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、育児休業取得後、職場復帰とともに、ステップ1の続きから研究を再開したが、文献検討からの看護介入の抽出に時間を要してしまった。現在はステップ2:看護者から家族のMastery獲得を支援する看護介入の抽出の段階にあるが、進捗状況には遅れをきたしている。
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Strategy for Future Research Activity |
看護師対象のインタビュー調査に向けて、研究者が所属する看護研究倫理審査委員会の倫理審査の承認は得られているため、早急に本研究に協力いただけそうな対象施設をいくつか検討し、研究依頼を行う。施設として研究協力の承認が得られた場合には、速やかに対象候補者を紹介いただけるように要請し、インタビュー調査の実施を開始することとする。
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Causes of Carryover |
研究を行うにあたり、必要な文献や文具類、パソコンやICレコーダー、データ保存のためのハードディスク等の物品購入は適宜行っているが、育児休業取得による研究の中断が生じたこともあり、交付決定額に対して多額の残高が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ステップ2においては、看護者を対象として計20例のインタビュー調査を目標としており、調査に出向くための旅費や対象者に対する謝金、学会参加等の旅費に使用したいと考えている。
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