2015 Fiscal Year Research-status Report
ストレングスモデルに基づく行動制限最小化看護介入の開発に関する研究
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25862247
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
長山 豊 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (10636062)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リカバリー関連概念の検討 / ストレングスモデルに基づく介入計画の再検討 / 潜在的な環境のストレングスへの着目 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレングスモデルを基盤とした行動制限最小化に結びつく看護介入プログラムの構成内容について改めて再検討を行った。リカバリーを指向した支援として、Wellness Recovery Action Plan(WRAP)・Intentional Peer Support(IPS)・オープンダイアログなどの当事者との関係性の構築のあり方に関する共通点を考察し、対話を通じて相互理解を深め、対等に自己の価値や信念を共有する関係性を構築することが重要であることを確認した。特にIPSにおいては、援助者が自己および他者の認知に対する気づきを得て、相手との相互作用の場で生じている現象に対する理解が深まることで関係性が変化していくというプロセスが存在しており、本研究でも対象者がストレングスを内的資源として着目して活用していくのを支える援助関係と共通しており、IPSの概念を反映させた看護介入プログラムへと修正している。また、コミュニティソーシャルワークにおけるストレングスモデルの活用に関するワークショップに参加して、本研究における閉鎖病棟や保護室という資源の乏しい環境の中でのストレングスアセスメントの手法について再検討した。特に、環境のストレングスという側面に着目し、対象者を取り巻く生活全体を捉えて、対象者のストレングスの発見につながると考えられる潜在化している人的・物的資源に着目した支援計画を構築することが重要であり、利用可能な資源の把握および効果の予測を基盤に看護介入プログラムを再検討した。 現在は、研究対象者として保護室を長期的に使用している患者に焦点を置き、研究対象施設は精神科単科の病院に限定して、看護介入プログラムの実施に向けて調整を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究におけるストレングスモデルに基づく看護介入プログラムの構成内容に関する再検討に時間を要しており、研究対象施設への看護介入プログラムの実施に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象施設において長期に保護室を使用している精神疾患患者に対象者を限定して、看護介入プログラムを開始し、データ収集を早期に開始する。
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Causes of Carryover |
平成27年度は研究計画としての看護介入プログラムの内容の再検討に時間がかかっており、研究実施の段階に進まなかったため、データ収集時に必要な移動費用、データ整理・分析補助に必要な人件費を使用しなかった。そのため、平成28年度へ繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画実施におけるデータ収集において複数のフィールドへ移動時の費用、データの整理・分析補助に関する人件費へ使用する予定である。
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