2015 Fiscal Year Annual Research Report
医療依存度の高い乳児の在宅療養に向けた保健師活動指針
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25862260
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 奈穂 大分大学, 医学部, 助教 (30582811)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 保健師 / 医療依存度 / 乳児 / 在宅療養 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度は、医療依存度の高い乳児への支援状況に関する情報収集と保健所保健師が行った医療依存度の高い乳児への支援内容を分析した。情報収集により、養育医療などが市町村へ権限移譲されたことから、保健所保健師と市町村保健師が協働し医療依存度の高い乳児の在宅支援体制をマネジメントしていく必要性が示唆された。また支援事例の分析から、保健所保健師は在宅支援体制の整備に向けて、医療的ケアの確保、家族の経済的負担の軽減、同疾患患者との交流促進のために、行政・医療・その他関係機関の相手に働きかけていたことが明らかとなった。 平成26年度は、引き続き情報収集と行政保健師が行った個別支援事例の分析を重ねた。支援状況として、実績を重ねてきた保健所保健師と権限移譲により中心的な役割を担う市町村保健師とで地域の実情に合わせ協働していることが示唆された。また支援事例の分析では、前年度明らかになったことに加え、関係機関に対して、先を見越した準備的な関係づくり、影響力のある関係者を介在させる、直接出向いて依頼することをとおし地域のネットワークづくりを行っていることが明らかとなった。 平成27年度は、これまでの結果をふまえ特に社会資源の少ない地域における支援チームづくりについて分析した。その結果、行政保健師の行う医療依存度の高い乳児への支援チームづくりの特徴として、将来を見越して支援チームメンバーを参集すること、ケース会議に組織の管理職を参集し地域ケア体制の構築を促すことが示唆され、医療関係機関へ最優先でアプローチすることは、社会資源が少ないといった地域特性をふまえた支援チームづくりの特徴と考えられた。以上のことから、社会資源の少ない地域における公的機関の保健師が行う医療依存度の高い乳児への個別支援についてまとめ、今後はまとめたものの検討・修正を重ね実践現場で有効な活動指針へと発展させていく予定である。
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