2013 Fiscal Year Research-status Report
両生類における位置特異的な遺伝子発現操作法の確立と形態再生への適用
Project/Area Number |
25870058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横山 仁 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (90455816)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生 / 器官形成 / 形態形成 |
Research Abstract |
本研究の具体的な研究項目は1.局所的な遺伝子発現の誘導を利用して効率的なTg個体の選別法を確立する、2.IR-LEGOなどの手法を用いて位置特異的な遺伝子発現の誘導技術を確立する、3.確立した遺伝子操作の技術を駆使して成体ゼノパスの四肢再生能を回復させる、の3つである。 1の効率的なTg個体の選別法の確立、に関しては赤外レーザーによって局所的に遺伝子発現を誘導するIR-LEGOの利用によって作製した遺伝子組換え(Tg)個体の最初の世代(F0)において遺伝子が導入された個体を効率よく選別することを目指した。平成25年度中に行った条件検討の結果、当初予定していた幼生の尾に対するIR-LEGOでは発現を誘導したGFPの蛍光にばらつきが大きく、短期間でタンパクが消失しやすいことが分かった。そこで尾の代わりに肢芽に赤外レーザーを照射することにし、すでに系統化しているTg個体を使ってレーザー照射の最適な条件を決定した。 これと関連して2.の位置特異的な遺伝子発現の誘導技術の確立に関しては、実験条件を様々な角度から検討した結果、狙った位置にピンポイントで(数十個の細胞からsingle cellレベルまで)発現を誘導できるレーザー照射の条件や、温冷負荷装置によって肢芽全体あるいは肢芽や再生芽の一部の特定の領域で遺伝子発現を誘導する実験条件を見つけることができた。3.の成体ゼノパスの四肢再生能の回復はまだ達成できていないが、発現誘導した遺伝子の発現量や分布を正確に検出できるシステムを蛍光タンパクでの標識を利用して構築しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた3つの研究項目のうち、1.の効率的なTg個体の選別法の確立、においてはIR-LEGOによってGFPの発現を局所的に誘導して、それによってTg個体を選別する計画であった。しかしIR-LEGOで選別されるのは目的の遺伝子を高い発現レベルで発現できる理想的なTg個体のみであり、発現レベルの低いTg個体は選別できないことが分かってきた。この結果は予想外のものであったが、逆に言うと理想的なTg個体だけを厳選して選別することは可能であると考えられ、当初の目的通り、系統を樹立する始祖となるTg個体をこの方法で選別できると思われる。2.の位置特異的な遺伝子発現の誘導技術の確立に関しては目的の位置で遺伝子発現を誘導するための実験条件がすでに詳細に検討されており、当初の目的通りに研究が進展している。3.の成体ゼノパスの四肢再生能の回復についても着々とその準備を進めることができている。以上の点から、研究はおおむね当初の計画通りに進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの達成度」で述べたように、IR-LEGOによるTg個体の選別において、IR-LEGOによる選別の感度が予想外に低く、発現レベルの低いTg個体は選別できないことが平成25年度の研究から分かってきた。したがって作製した遺伝子組換え(Tg)個体の最初の世代(F0)を選別する際に、大量のF0個体を選別にかけないと目的の遺伝子を発現するTg個体を選別できないと予想される。しかし逆に言うと、発現レベルの高い理想的なTg個体を厳選して選別できることになるので、選別した個体で目的の実験を行うよりもむしろ選別した個体を性成熟するまで育てて系統を樹立するのに用いるという方向で今後の研究を行っていくこととする。また選別をより効率的に行うために、IR-LEGOだけで選別するのではなく、従来行ってきたクリスタリンプロモーターでTg個体のレンズを標識する方法(Yokoyama et al., 2011; Hayashi et al., 2014など)と組み合わせることで、大量のF0個体をより効率的に選別するやり方を検討する。以上の対応を踏まえつつ、当初の目的である成体ゼノパスの四肢再生能の回復を図る実験を本格的に推進していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 未使用額は平成26年度請求額とあわせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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[Journal Article] Growth and differentiation of a long bone in limb development, repair and regeneration2014
Author(s)
Egawa, S., Miura, S., Yokoyama, H., Endo, T., and Tamura, K.
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Journal Title
Development Growth and Differentiation
Volume: 未定
Pages: 未定
DOI
Peer Reviewed
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