2015 Fiscal Year Annual Research Report
資源制約下の公共保健サービスに維持・改善のサイクルを実現する技術課題の実証研究
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25870069
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
村井 真介 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (00506644)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際保健 / サービスマネジメント / 医療の質 / KAIZEN / アクションリサーチ / サービス科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
公共保健サービスの提供とそれらの維持・改善のサイクルが十分機能しているとは言えない資源制約下の地域行政にて、地域保健情報システム(FHSIS)の報告メカニズムの改善機会と改善を妨げる技術的課題を研究した。 本研究から、地域保健情報システムの19年間の実際の運用において、(1)横断的な現状報告のみならず時系列的な現状の推移を可視化することで組織外部から与えられた目標ではなく、組織内部のより現実的な目標設定が行えるようになること、(2)水準のみならず、ばらつきの管理にも注目することで問題設定に確実さという新しい視点を入れられること、(3)実績の可視化には、中央値と四分位範囲を用いることで、分布が偏っていてもより確実に現状を把握できること、(4)実績の変化に対しての統計的検定には、定常性の評価と特定の分布を仮定しないノンパラメトリックな手法が使えること、が分かった。 このような状況可視化に基づく目標設定は、組織内部のこれまでの実績や仕事のやり方と文脈の上で連続性を保ち、特定の分布を仮定するという論理の飛躍を避けられるので、組織内部の人々に理解されやすく、目標の共有が図りやすく、次のアクションにつながりやすいと考えられた。
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