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2014 Fiscal Year Research-status Report

カリキュラム(単元)構成ワークショップの理論構築と企画実践

Research Project

Project/Area Number 25870241
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

金馬 国晴  横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (90367277)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywordsカリキュラム / コア・カリキュラム / ワークショップ / ファシリテーション / 単元 / 企画 / 実践 / 見える化
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、ワークショップを5回ほど企画し、実践化できた。昨年度よりも踏み込んで、形式の上で発展をさせた多彩なかたちで試みることができた(後述)。そうした過程で、カリキュラム構成ワークショップと呼んでいたものを、「単元習作ワークショップ」と呼び直した方が、内実をよく表すし、教員にはわかりやすいとわかってきた。
また大きかったのは、このワークショップを昨年度から企画・実践してきたその発想・意義、および経緯ほかを文章にまとめ上げ、現場教員の読む雑誌に発表できたことである。
コア・カリキュラム研究についてはとくに、実践記録への応用編を文章化することができた。今年度は、実践記録を書くことや共同で検討・討議することの意義についての雑誌論文、さらには生活科・総合学習を例として、研究集会の分科会での実践記録検討を通じて得られた諸視点についての雑誌論文ができた。これらの文章やその執筆プロセスでの思考自体が、今後のコア・カリキュラム研究および単元習作ワークショップの土台となり得る。また、土台となり得るものとしては他に、十数年間協力してきたNGOの中学校での出前授業について、自らの実践記録といえるものを、共著でまとめて発表できた。
さらに、学力テストやテスト一般に対して、生活科・総合学習や教師の自主的な授業案・単元案づくりを阻害するものとして検討・批判する論文をまとめ、現場教員の研究会にてレポートもした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度に企画・実践をしたワークショップでは、とくに形式面での工夫を凝らした。
前年度に続いての3回目は弁護士を招いて憲法をテーマに開いたが、2回目を発展させた内容となり、単元案・授業案が具体化できた。この「創る」に至る作業のセットが、教育関係の講演会の常道になるとよい、との理想像が描けた。4回目は教員の夏季研究集会の中で試みて、分科会での実践記録の報告と討議に続いて参加者が共同しすぐに単元案を作ってみるという方式を編み出した。5回目はとある研究会にて、道徳教育の単元案を作成した。そもそも論にも論議が及び、諸論点も含めて「見える化」できた。6回目はパネルシアター(幼児教育界で流行している、動かせるシートをパネルに貼って使う劇のようなもの)と組み合わせ、上演後にすぐそれを使った授業案を構想するという、上記4回目の応用的な展開を試みた。7回目はある会で講師を務めつつ、未来の教育シナリオを参考にアクションプランを立てるワークショップを行った。8回目は、ある団体が開発した書き込み教材をやってみた後、それを使う授業がどうあり得るかも考え合った。ゲストを招いたり、自らがゲスト的な役割をしたりして、5回もの企画を立てて実現できたこと自体が、大きな成果であった。さらに、パネルシアターの回に関しては、後日に実際、実践に移した教員が現われたことは、今後につながる成果である。(後述)
また、以上や今後に資料や発想源になるような文献を収集した。すでに周辺分野も含めた当研究に活用してきたが、今後のワークショップおよびコア・カリキュラム研究や、ワークショップでの直接の参考文献としても活用していける態勢が整いつつある。
コア・カリキュラム関連の資料調査依頼、元教師インタビューのまとめについては、翌年度以降に回すこととした。

Strategy for Future Research Activity

パネルシアター授業について、上記ワークショップをもとに実施をした教員に、その実践報告をしてもらう研究会を予定している。このようにして今後、実践化とその報告会の企画・開催を追求するとともに、ある回から派生したような回の設定を積極的に試みる。
また、今後にもワークショップを複数回、企画・実践していくが、問題関心やそこで得た知見などのメモを蓄積していき、単元習作ワークショップのポイントなどのテーゼ化も試みて、今後の企画・実践において参照し、かつ存分に活用してブラッシュアップし、ワークショップの準備と内容の拡充も図る。来年度以降は文章化も図りたい。
来年度はとくに、コア・カリキュラム研究を推進する。史料の充実をさらに図るために、コア・カリキュラムに関連する戦後初期の史資料を所蔵していると思われる学校、施設、個人に、アンケート郵送にて調査依頼をし、回答があれば訪問をして、資料閲覧、および複写か写真撮影を行う予定である。こうしたコア・カリキュラム研究をもう片方の車輪として進めることで、ワークショップとの相乗効果をねらう。そもそもコア・カリキュラムとは、実践してこそ展開する実践的理論であり、戦後初期にもワークショップを通じて発想・発展されてきたことが歴史的な事実である。
以上のような研究と企画・実践(コア・カリキュラムでいう中心)に絡めて、資料・情報・人脈・知見など(同、周辺)の収集をさらに進め、整理、読解、活用をいっそう図る。また、2015年度から、当初本研究でめざした文献や資料の整理法・活用法などを、学生たちに指導でき、単元習作ワークショップも折り込めるような演習科目を新たに担当することとなった。そこで上述の様々な研究成果を活用し、実践しながら考察・研究を深めるとともに、新しいタイプの文章・論文の執筆にもつなげていきたい。

  • Research Products

    (7 results)

All 2015 2014

All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 生活科・総合学習を点から線、面へ-その視点や発想2015

    • Author(s)
      金馬国晴
    • Journal Title

      『生活教育』

      Volume: 798 Pages: 30-33

  • [Journal Article] ふりかえりに活かす実践記録とそのコア2015

    • Author(s)
      金馬国晴
    • Journal Title

      『生活教育』

      Volume: 795 Pages: 74-75

  • [Journal Article] 授業案をその場で共同でデザインする-単元習作ワークショップ2014

    • Author(s)
      金馬国晴
    • Journal Title

      『生活教育』

      Volume: 794 Pages: 8-9

  • [Journal Article] 実践事例報告 開発教育教材の展開と深化~『コビール君ちの家族マップ』の開発を通して2014

    • Author(s)
      東宏乃・金馬国晴
    • Journal Title

      『開発教育』

      Volume: 61 Pages: 136-143

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 「テスト収斂システム」が教育を壊す2014

    • Author(s)
      金馬国晴
    • Journal Title

      『教育』

      Volume: 825 Pages: 5-12

  • [Book] 学力と学校を問い直す2014

    • Author(s)
      教育科学研究会
    • Total Pages
      304
    • Publisher
      かもがわ出版
  • [Book] 教育方法論2014

    • Author(s)
      広石英記他
    • Total Pages
      218
    • Publisher
      一藝社

URL: 

Published: 2016-06-01  

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