2013 Fiscal Year Research-status Report
神経回路形成における新規リン酸化GAP43の機能解析
Project/Area Number |
25870251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河嵜 麻実 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (10609358)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GAP-43 / JNK / 発生 / 再生 |
Research Abstract |
神経がどのようにして成長・再生するかは、殆ど理解されていない。GAP-43は古くから知られる神経成長関連分子であるが、その分子機能は明らかになっていない。我々は、大規模な定量的リン酸化プロテオミクスを実施し、神経発生・再生過程でのみ活性化されるGAP-43リン酸化部位を同定した。このリン酸化部位は、神経軸索の形成維持に重要なMKK/JNKシグナルで活性化されていた。これらの結果から、GAP-43の新規リン酸化部位が神経の発生・再生において何らかの機能を有する可能性が示唆された。本研究では、リン酸化型GAP-43の分子機能を解明し、軸索伸長に必要なシグナル伝達機構を明らかにすることを目的としている。25年度の成果は以下の通りである。 1: リン酸化GAP-43の発現マッピング(神経発生及び再生):マウスの神経発生過程では、回路形成が盛んな時期に限局し、強い発現が確認された。また、中枢および末梢神経の再生過程の神経軸索おいても発現が上昇した。これらの結果から、新規リン酸化型GAP-43を神経発生や再生のマーカー分子として国際特許出願中である。 2: 軸索伸長機能について: 非リン酸化型GAP-43をノックインしたマウスでは、野生型と比較し軸索の長さが半分程度にまで減少していた。このことから、GAP-43のリン酸化は軸索の形成に関与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リン酸化GAP-43の機能を明らかにする上で、その発現をマッピングすることは必要不可欠である。本年度は、当初の予定通りの研究を行い、GAP-43のリン酸化が神経系(中枢、末梢)の発生及び再生過程に共通した現象であることを明らかにした。さらに、このリン酸化が軸索の伸長に関与することを、ノックインマウスを用いた解析で明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに、今後は非リン酸化型GAP-43ノックインマウスを用いたin vivo解析で、リン酸化の生理的意義を明らかにする。さらに、GAP-43のリン酸化がどのようにして軸索伸長を制御しているのか、その分子メカニズムについて細胞生物学的な手法により解析を進めて行く予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験を行う予定の施設が改修工事のため、大幅ば動物実験の縮小を行った。このため、本年度行う予定であった遺伝子組み換えマウスを用いた細胞生物学的解析を、次年度に延期することになった。 細胞生物学的実験に必要な非リン酸化GAP-43のノックインマウスを準備しており、本年度予定していた細胞生物学的解析を次年度すぐにスタートする準備を整えている。
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Research Products
(4 results)